イーグルス/テイク・イット・トゥ・ザ・リミット(1975)

One of These Nights [Analog]

【70年代ロックの快楽】
Eagles – Take It to the Limit

イーグルスの4枚目のアルバム『呪われた夜(One of These Nights)』からのシングルで、全米4位、全英12位の大ヒットとなった。

ベーシストのランディ・マイズナーが主に書き、ドン・ヘンリーとグレン・フライが手伝って仕上げた曲で、ランディ・マイズナー自身がリード・ヴォーカルを取っている。カントリー・ワルツの発展形のような、イーグルスの中でも屈指の美しい名曲だ。

マイズナーのヴォーカルは高音が美しく、この素晴らしいライヴ動画の観客の反応からも窺い知れるように、この曲の演奏は当時のライヴのハイライトのひとつでもあった。

しかし、マイズナー自身はこの歌をライヴで歌うのを嫌がっていたらしい。
音を外したりするとドン・ヘンリーから厳しい叱責をされ、胃潰瘍になっていたかららしいのだけど、嫌がるマイズナーに対してステージ裏でグレン・フライが彼に歌うよう説得していたという。

そう思うと、ドン・ヘンリーがドラムセットの奥から目を光らせる中で、この日の素晴らしい歌唱をやってのけたマイズナーと、大いに盛り上がる観客の熱い賞賛の拍手に、わたしもなんだか胸が熱くなる。

このシングルはイーグルスにとって初めてのミリオンセラーとなり、イギリスでも彼らのチャート最高位を記録した。
それらが次作『ホテル・カリフォルニア』の全世界的なモンスター・セールスへの下地となったことも間違いないだろう。

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