ラム・ジャム/ブラック・ベティ(1977)

【カバーの快楽】
Ram Jam – Black Betty

ニューヨークで1977年に結成して1年間だけ活動し、アルバムを2枚遺して解散したバンド、ラム・ジャムの唯一のヒット曲。全米18位、全英7位。

77年と言ったらニューヨークはパンクで盛り上がっていた頃だけど、ラム・ジャムは見た目も音楽性もパンクではなかったようだ。アルバム・ジャケットもやや時代遅れに見える。ニューヨークと言っても全員が最先端なわけではないのだ。

この曲はオリジナルではなく、原曲は古い労働歌なのだそうだ。
これを1930年代にレッドベリーが録音したレコードを聴いて、このカバー・バージョンを思いついたらしい。
聴き始めた途端に思わず、オオッと身を乗り出してしまうほどインパクトのあるアレンジだ。

そしてこのラム・ジャムのバージョンは、多くのアーティストにカバーされた。

有名どころではトム・ジョーンズやミートローフ、シェリル・クロウ、ミニストリー、ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンなどなど。

わたしがこの曲を知ったのは2012年にEPとして発表された、ダイナソーJr.のバージョンだ。
いつもダルそうなJ・マスシスにしてはやけにノリノリのヴォーカルと、衰えを微塵も感じさせない、ラウドで生き生きとした切れ味鋭いギターがカッコいい。
きっとこの曲が好きなんだろうなあ。

↓ 1977年のラム・ジャムのバージョン。

↓ 2012年のダイナソーJr.のバージョン。

↓ 1930年代のレッドベリーのバージョン。