【90年代ロックの快楽】
Dinosaur Jr – Whatever’s Cool With Me
Dinosaur Jr – Whatever’s Cool With Me
1991年、前年のソニック・ユースに続いて、地下世界から地上世界へとメジャー・デビューしたダイナソーJRを聴いてわれわれは狂喜した。
パンクが終わって以降、80年代のロックは新しい展開を見せ、シンセなど電子音を中心としたサウンドが主流となっていった。
それはそれで面白いものもあったが、われわれは70年代のギター・ロックのような、疾走感に溢れた野蛮な音のギター・ロックに飢えてもいた。
そこに現れたのが、まさに古代の恐竜が蘇ったかのようなダイナソーJRだった。
とはいえ、決して古さを感じない、ドクドクと脈打つほどのリアリティは同世代のわれわれと同じ時代の気分を共有し、爽快なスピード感と清々しい爆発力も備えた、まさに新時代のロックンロールだった。
この曲は、そのダイナソーJRのメジャー・デビュー作『グリーンマインド』に続いて、シングルのみで発売された、アルバム未収録の名曲である。
ついに市街地に上陸して暴れ回った恐竜が、ビルを薙ぎ倒し、アスファルトに爪を立て、ひっぺがす勢いで疾走する破壊的ロックンロールだ。
J・マスシスの、のたうち回りながらの哀しき雄叫びのようなギター・ソロも素晴らしい。
コメント
ダイナソーといえばオルタナやグランジのイメージしかなかなかったので新しいロックンロールという解釈が新鮮でした。
コメントありがとうございます!
特にこの曲や「ワゴン」あたりは、この爽快な疾走感が他のグランジ系バンドにはない魅力だったので、そう表現しました。
そう言っていただけて嬉しいです(笑)