ブラック・フラッグ/TVパーティー(1981)

Damaged

【80年代ロックの快楽】
Black Flag – TV Party

ブラック・フラッグは1978年にデビューした、カリフォルニアのハードコア・パンク・バンドだ。バンド名となっている「黒旗」はアナーキストの旗なんだそうだ。

リーダーでギタリストのグレッグ・ギンは、ロックの地下街ではいつしか名店となったインディ・レーベル「SST Records」を設立し、このレーベルからソニック・ユースやダイナソーJr、ハスカー・ドゥ、ミート・パペッツ、バッド・ブレインズなどが育ち、米国アンダーグラウンドシーンの核となるサウンドや方法論が形成されていく。
ヴォーカルは、90年代にロリンズ・バンドを結成して活躍する、ヘンリー・ロリンズだ。

言わば、ブラック・フラッグは米国アンダーグラウンド・シーンのゴッドファーザーであり、その黒い旗はシーンのシンボルと言える。

彼らの音楽は後輩たちに大きな影響を与えたことで知られる。
それは、ハードコア・パンクを標榜しながらも、必ずしもスピードにこだわらなかったところが大きいと思う。特にこの曲などはポップな要素すらある。

今日は一晩中テレビを見ながらパーティーだ
これ以上楽しいことがあるか?
外に出たって怖いだけだし、頭も使わなくていい
こんな最高なことってないだろ?
なぬ!?
テレビが壊れた!?
何したらいいんだあっ!?
(written by Greg Ginn)

社会派なのかバカなのかよくわからない歌詞だ。
ひとり残らず足が臭いやつらが集まった体育会系のノリみたいな、力づくの音圧が恐ろしい。

ポップな骨組みに、ハードコア的なサウンドをぶち込んだ新種のロックは、それがそのまま90年代ロックのフラッグとして、引き継がれていく。