Jerry Lee Lewis feat. Jimmy Page – Rock and Roll
ジェリー・リー・ルイスが2006年に発表したアルバム『ラストマン・スタンディング(Last Man Standing)』は、豪華なゲスト陣と共演したカバー・アルバムだ。
アルバムは全米26位と、彼の全キャリアを通じて最高位となり、最も売れたアルバムとなった。
ゲストには、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ブルース・スプリングスティーン、ニール・ヤング、ジョン・フォガティ、ロッド・スチュワート、リンゴ・スター、キッド・ロック、ジョージ・ジョーンズ、マール・ハガード、ウィリー・ネルソン、リトル・リチャードなどなど、葬式でもなければ集まらないぐらいの超豪華な顔触れである。そりゃ売れるわな。
しかしこのアルバムが素晴らしいのは、ただ有名人を呼んで、同窓会のノリでテキトーに歌っただけのものではないことだ(まあ中にはそういうゲストもいるけど)。
アレンジ攻め攻めの曲も多く、原形をとどめない曲もあるほどだ。
ジェリー・リー・ルイスのヴォーカルは歯切れよく力強い上に哀愁味も増して聴きやすく、ピアノは信じられないぐらいパワフルでエネルギッシュに鳴り響き、失礼ながら予想以上に衰えていないことを知って嬉しくなった。
ここで選んだ曲は、アルバムのオープニング・トラック、レッド・ツェッペリンの「ロックンロール」だ。そして共演しているのはジミー・ペイジである。
ツェッペリンの原曲をそのままなぞったのではもちろんなく、ジェリー・リーのスタイルにグッと寄せたアレンジだ。そこにまたペイジが期待以上の(失礼)彼らしい爆裂プレイでグイグイとグルーヴをつくるところは流石だ。あっという間だけど濃密な2分14秒である。当時71歳のルイスと62歳のペイジによる、真剣勝負のロックンロールに胸が熱くなる。7
尚、ジャケットは、ジェリー・リーが若い頃にピアノを燃やしながら演奏したという伝説に基づくものだけれど、本人によれば、さすがにピアに火をつけたことはないそうだ。