【きょうの余談】はじめての寅さん

べつに正月だからというわけでもないのだけれど、昨夜22:15分頃に、急に『男はつらいよ』を見てみたくなり、amazon primeで第1作を見た。

わたしはこの寅さんのシリーズを見るのは初めてだ。

わたしは人よりも成長がかなり遅いという不治の病があるうえに、若い頃は「みんなが好きなものをバカにする病」という難病まで抱えていたため、このような国民的に愛された名画のシリーズをなんの根拠もなくバカにして、観ずに来てしまったのだった。哀れな病だ。

でももう大丈夫。わたしはだいぶ治って、普通の人間に近づきつつある。

昭和44年公開の作品だけれど、とにかく映像が美しいことに感動した。
リマスターとかデジタル修復とかそういう科学技術だけではなくて、そもそも監督とカメラマンが美しい映像を撮ろうとしているからだ。

あの時代の日本の風景が今そこで撮ってきたみたいに生き生きとしているのがすごい。見始めて1分も経たないうちに、ああ、これは最後まで見れるな、と思った。

寅さんが国民的に愛されたこともよくわかった。
こんなにいい顔をして、キャラも立ったキャラクターというのもなかなかいないものだ。キレのいい口上も気持ちいい。寅さんが喋るだけでなぜか引き込まれる。

山本直純による音楽がまた良いのだ。
あの盛大に鳴り響く有名なイントロから始まる主題歌の素晴らしさは、このシリーズが48作も作られることになった原動力のひとつとなっているに違いない。
当時のファンはきっと、寅さんと言えばあのイントロを思い出すし、イントロを思い出すだけでもう次の作品が観たくなっていたはずだからだ。

さくら役の倍賞千恵子の美しさもまた、感動ものだ。