ロッド・スチュワート/キリング・オブ・ジョージー(1976)

【70年代ロックの快楽】
Rod Stewart – The Killing of Georgie (Part I and II)

1976年のアルバム『ナイト・オン・ザ・タウン』からのシングルで、全英2位、全米30位ヒットに。ロッド自身が作詞・作曲している。

ロッドの友人でゲイだった、ジョージーの生涯について語られる歌だ。
テーマといい、曲調といい、わたしはルー・リードの「ワイルド・サイドを歩け」を思い出してしまう。

少年時代、ジョージーがゲイであることを両親は理解できなかった。間違っている、まともになれと諭した。ジョージーは最愛の両親の理解を得られないことに悲嘆し、家を出てニューヨークへ移り住んだ。

ニューヨークの進歩的な人々は彼を受け入れた。彼は人気者になり、自分の居場所を見つけた。誰からも愛され、街の新たなクイーンになった。

ロッドが最後に彼に会ったのは2年前、彼に恋人が出来たという報せを聞いて嬉しかったと言う。

しかしある晩、恋人の男性とブロードウェイの芝居を見に行った帰り、夜道を腕を組んで歩いていると、ギャングたちに絡まれた。
夜の街に叫び声が響き、ジョージーはナイフで刺され、頭を舗道に打ち付けて死んだ。

ジョージーはいつもこう言っていた。
「待ったり、ためらったりするな。手遅れになる前にやってみよう。チャンスは二度とないかもしれないんだから」と。

そんな歌だ。
「ストーリーテラー」と称されるロッドの、本領発揮の名曲だ。

曲は2部構成になっていて、4分半で一度終わると、その後にビートルズのあの名曲と同じメロディで「ジョージー、いかないでくれ、ここにいてくれ」と歌う、せつないリフレインが繰り返される。