No.143 ロッド・スチュワート/マギー・メイ (1972)

Every Picture Tells a Story
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その143
Rod Stewart – Maggie May

60年代後半からジェフ・ベック・グループやフェイセズを渡り歩いた後にソロ活動を開始し、3枚目のアルバム『エヴリ・ピクチャー・テルズ・ア・ストーリー』が全英・全米チャートの両方で1位となる快挙を成し遂げた。

アルバムが売れたのはこの曲の大ヒットがあったからだ。
当初は「リーズン・トゥ・ビリーヴ」のB面として発売されたものの、しかしラジオのDJ達は、B面の「マギー・メイ」を気に入ってかけまくり、チャート1位の大ヒットにつながったという。

こういうエピソードはよくあるけど、昔はこういうこだわりを持ったDJたちがたくさんいたんだなあ、と思う。
今はこんな話はあまり聞かない。

歌詞は、長い夏休みを年上の女性の家で過ごした学生が、そろそろ彼女の家を出て学校に戻るよ、と告げるものの心底は未練たらたら、という内容だ。

本人は「なぜこの曲があれほど大ヒットしたのかわからない。メロディが無いのに」と語っているらしい。
ロックンロールバンドで活動してきた彼には違和感があったのかもしれない。

このシンプルなフォークソングみたいな曲はマンドリンとアコギが美しく、ロッドのしゃがれ声と絶妙な組み合わせになっている。
ドラムもまた生き生きとしていい感じだし、大人の世界に足を踏み入れたばかりの少年の心情をリアルに歌った歌詞と相まって、なんだかすごく可愛らしい歌だとわたしは思っている。

ヒットした理由はきっと、可愛らしいからだ。