Eggs Over Easy – Henry Morgan
エッグズ・オーヴァー・イージーは、米サンフランシスコのバンドだ。
パブ・ロックの起源は、彼らがレコーディングのためにロンドンにやってきたことから始まる。
エッグズ・オーヴァー・イージーは、元アニマルズのチャス・チャンドラーに招かれ、彼のプロデュースで1stアルバムをはるばるロンドンまでやってきてレコーディングを開始した。
また、その滞在中、毎週月曜の夜にはロンドンの『タリー・ホ』というジャズ・クラブで、アルバイト的に演奏した。
アルバムのレコーディングは完了したが、しかし様々な事情でお蔵入りとなってしまった。
彼らは失望したが、しかしすぐには米国に帰らず、『タリ・ホー』での演奏を続けた。彼らの音楽はザ・バンドやイーグルスのチープなバッタもんみたいなものだったが、イギリス人にはまだめずらしかったのか、ライブは盛況だったという。
そんな彼らと親交を深め、影響を受けたのがニック・ロウ率いるブリンズリー・シュウォーツで、エッグズを真似て、演奏させてくれるパブを探して出演するようになったのが、パブ・ロックの始まりと言われている。
エッグズ・オーヴァー・イージーの音楽自体はそれほどのものでもないが、もし彼らがロンドンにやって来て、パブで演奏していなければパブ・ロックはなく、ロンドン・パンクもあったかどうかわからない。
この曲は、アメリカに帰国後に録音した、彼らにとって唯一のアルバム『グッド・アンド・チープ』の収録曲だ。
歌い出しがザ・バンドっぽくて、オッと思わせるが、演奏のクオリティや音楽的な深みは当然かなわない。
でもパブで演奏してたら、たしかにちょっといいかもな、とも思う。