【パブ・ロックの快楽】
Elvis Costello & The Attractions – Oliver’s Army
Elvis Costello & The Attractions – Oliver’s Army
エルヴィス・コステロの3rdアルバム『アームド・フォーセス (Armed Forces)』からのシングルで、全英2位と、彼にとって最もヒットした代表曲だ。
溢れるポップ・センスと王道ロックンロールとニューウェイヴ的な鮮烈さというコステロの持ち味が最大に発揮された名曲だ。
「オリヴァーズ・アーミー」は、17世紀にアイルランドに侵攻して大虐殺を行ったオリヴァー・クロムウェルが指揮した軍隊のことで、当時の地球上のありとあらゆる弱くてお人好しな国や民族を侵略・隷従させるのが大好きだった大英帝国の象徴として歌っているようだ。
「そんな国に生まれたオレは仕事にあぶれていて、でも職安に行けば『軍隊ならいつでも君を待ってるよ』と言う。ここから出て行く方がマシなのかもしれないけど、でも僕は今日もここにいる」とまあ、そんなような自虐的でシニカルで思索的な歌詞だ。
まるでサザンオールスターズのようなポップな曲に、こんな重い尾を引くような歌詞を乗せるところがいかにもコステロらしい。