デイヴ・エドモンズ/ガールズ・トーク(1979)

【パブ・ロックの快楽】
Dave Edmunds – Girls Talk

レッド・ツェッペリンのロバート・プラントに誘われ、彼らが設立したスワン・ソング・レーベルに移籍したデイヴ・エドモンズの5枚目のアルバム『リピート・ホエン・ネセサリー(Repeat When Necessary)』からのシングル。全英4位のヒットとなり、「アイ・ヒア・ユー・ノッキン」と並ぶエドモンズの代表曲となっている。

デイヴ・エドモンズはパブ・ロックの代表的アーティストとして知られるけれども、彼が実際にパブで演奏していたというわけではないだろう。彼はパブ・ロックが生まれた1970年代の初めにはすでに大ヒット曲を持つスターだったのだ。

そしてニック・ロウが同郷(英ウェールズ)のスターとして彼をリスペクトし、ブリンズレー・シュウォーツのアルバムのプロデュースを依頼したことで親交が深まり、パブ・ロック界隈のアーティストたちのプロデュースもする、どちらかというとパブ・ロックの精神的支柱みたいな存在だったのだ。

そして、この「ガールズ・トーク」は、パブ・ロック界隈からの一番の出世頭、エルヴィス・コステロが書いた曲だ。

コステロによると「酔った勢いであげちゃった曲」であり、エドモンズによると「『あなたにぴったりの曲があります』とコステロにカセットをもらったけど、あんまり良くなかったからおれが直した」ということらしい。でももまあたしかに、デイヴ・エドモンズのスタイルや声にぴったりの曲だ。

ニック・ロウとは〈ロックパイル〉というバンドを組んで、この当時からお互いのアルバムのバックを務めたり、1980年にはロックパイルとしてのアルバムも1枚発表している。このPVで演奏しているのが、そのロックパイルだ。