ジョニー・キッド&ザ・パイレーツ/ドクター・フィールグッド(1964)

The Best of Johnny Kidd & The Pirates

【60年代ロックの快楽】
Johnny Kidd & The Pirates – Dr. Feelgood

ジョニー・キッド&ザ・パイレーツは1959年、大西洋の向こう、アメリカでロックンロール旋風が吹き荒れている真っただ中でデビューした、英国ロンドンのバンドだ。
ビートルズ以前の、イギリスで最初のロックンロール・バンドのひとつである。

ヴォーカルのジョニー・キッドは黒い眼帯をつけ、腰に短剣を下げた海賊のスタイルという、すでにグラム・ロックの要素まで入っている。日本ではあまり有名ではないけれど、その後のブリティッシュ・ロック史に多大な影響を与えたバンドだったのだろうと思う。
代表曲はザ・フーもカバーした「シェイキン・オール・オーヴァー」(1960)で、全英1位を獲得した。

その後の彼らはビートルズやストーンズたちに席を奪われてしまい、ヒットから遠ざかった。そして1966年、フロントマンのジョニー・キッドが交通事故死し、解散する。

そんな彼らは70年代のパブ・ロック・シーンにも影響を与えている。

ドクター・フィールグッドの初代ギタリスト、ウィルコ・ジョンソンは、このパイレーツのギタリストだったミック・グリーンに影響を受けたことから、この曲のタイトルを自分たちのバンド名にしたと言う。

また、ウィルコ・ジョンソンとミック・グリーンは曲の共作もするようになり、その活動の影響からか、1976年にミック・グリーンはザ・パイレーツを再結成する。
その後も細々と活動は続けていたものの、2010年にミック・グリーンが死去し、活動を終えた。

この曲は、1964年に発表したシングル「Always and Ever」のB面に収録された。
ミック・グリーンの跳ねるようなリズム・ギターのイントロで始まる、シンプルでキレのいいR&B風のロックンロールは、まさにドクター・フィールグッドやパブ・ロックの起源を彷彿とさせるような曲だ。