サン・ハウス/デス・レター (1965)【’60s Blues Masterpiece】

Death Letter [12 inch Analog]

【60年代ブルースの名曲】
Son House
Death Letter (1965)

ミシシッピ・デルタ・ブルースの伝説の巨人、サン・ハウスは1902年の生まれだ。
農場の小作人だった彼は独学でギターを習得し、独特のギター・スタイルを完成させた。

9歳年下のロバート・ジョンソンはこのサン・ハウスに影響を受けたらしい。
サン・ハウスとロバート・ジョンソンの名前が並ぶと、レジェンドどころかまるで神話の登場人物みたいだけれども、ありがたいことにサン・ハウスは1988年まで長生きして、ちゃんと映像も残されている。

1930年に初めてレコーディングし、1942年にも国会図書館のために録音したが、その後は音楽をやめて鉄道の仕事に就いた。

それから20年の歳月が流れ、ブリティッシュ・ビート・バンドによる熱心なリスペクトと発信によって、ブルースがあらためて世界中で聴かれ始めていた1964年に、サン・ハウスは駅で荷物の運搬人の仕事をしているところを文字通り”再発見”され、カムバックしたのだ。

今にも爆発しそうなエモーションに体を揺らしながら、ケンカ腰みたいなアクセントと怨嗟の入り混じったような唸り声、デカいホウキのような手で怒りの連続チョップみたいに弦をかき鳴らすスタイルは、辛く苦しい人生を送ってきたフラストレーションがまさに噴き出しているのではないかと想像してしまう。

この「デス・レター」はサン・ハウスの代表曲だ。
恋人が死んだ知らせを受けて、嘆き悲しむ歌である。

動画はその64年頃のものだ。
まるで、伝説上の神様の撮影に成功した、衝撃映像みたいなインパクトである。

(Goro)