どうも、『ロックの快楽』という時代遅れなブログをやっております、ゴローです。
今回は初めてのテーマで、【わたしのベストテン】です。
初めて聴く人のために入門用の10曲をお薦めする「はじめての…」シリーズはこれまでにも書いてきましたが、こちらの【わたしのベストテン】シリーズはそのタイトルの通り、わたくしゴローが評価する或いは単に好きな順に、ランキング形式でお薦めするという企画です。
その昔TBSの『ザ・ベストテン』という番組がありましたが、あの番組はわたしがこの年まで阿保のように音楽に深くのめり込むきっかけとなりました。
なので深いリスペクトをこめてパクらせていただき、「わたしのベスト10」ではなく、「わたしのベストテン」と表記しています。
そしてその『ザ・ベストテン』でわたしが毎週楽しみにしていたのが、沢田研二さんの出演でした(この人を呼び捨てで「沢田研二」と書くのは非常に気が引けますが、このブログでは「ニール・ヤングさん」とか、「セックス・ピストルズのみなさん」などと書くことはしないため、心苦しいですが、以降、敬称略です)。
わたしは小学5年生のときに沢田研二がテレビで歌っているのを見て、「カッコいいなあ~」とシビれてしまったのでした。
沢田研二を見たいがために毎週『ザ・ベストテン』を楽しみにし、ラジオのチャート番組も聴くようになり、そうするうちにいろんなアーティストや音楽に出会い、今も飽きずに聴き続けています。なのでこんなブログも書いています。
その原点である沢田研二は、わたしにとってどれほどリスペクトしてもやまない存在です。
今回、あらためて沢田研二の楽曲を聴き返して、その歌の上手さ、カッコ良さにあらためて惚れ惚れとすると同時に、やっぱりこの人は唯一無比の存在だなあと感動しました。
最初に好きになったアーティストがこの人だったことを誇りたい。彼を好きになった小学生の自分を褒めてあげたい。そんな気分です。
そして、今聴いてもやっぱりいいなあと思える名曲を、ランキングにしてみました。
以下は、わたくしゴローが心から愛する沢田研二の名曲ベストテンです。
作詞:三浦徳子/作曲:沢田研二/編曲:伊藤銀次
33枚目のシングルで、沢田研二自身が作曲している。
50年代後半から60年代前半のアメリカのオールディーズ調の曲。
化粧品のマックスファクターのCMソングだったため、資生堂がスポンサーに入っている『夜のヒットスタジオ』では歌えなかったそうだ。オリコンチャート最高位8位。
かなり高い音域を楽々と歌ってのけるジュリーにあらためてビビる。
作詞:三浦徳子 作曲:沢田研二 編曲:伊藤銀次
34枚目のシングルで、前作の「渚のラブレター」と同じソングライター・チーム。オリコン6位。
この曲は当時で言うイギリスでブームになっていたネオロカビリーとニュー・ウェイヴを併せた感じだった。
バンドサウンドを強調してか、JULIE & EXOTICSという名義で、ジャケット写真もバンド全員で撮られている。このジャケのポスター、部屋に貼ってたなあ。
作詞:阿久悠 作曲・編曲:大野克夫
沢田研二の15枚目のシングル。
阿久悠&大野克夫という、ジュリーの黄金時代を築いたソングライター・チームの作品だ。
ジュリーの曲にはものすごく印象的でカッコいいイントロが多いけれど、この曲はその最たるもの。むしろ歌よりイントロのほうを先に憶えるくらい。
作詞:安井かずみ 作曲:加瀬邦彦 編曲:東海林修
1971年11月にソロデビューしたジュリーが、初のオリコン1位を獲得したブレイク作。
こういう曲を聴くと、70年代の歌謡曲って最高だなあとあらためて思う。曲も歌詞も、シンプルで、大胆で、ポップで、才気煥発である。
腕に覚えのある職人ソングライターたちが日本にもポップスの文化を切り拓き、根付かせるためにしのぎを削っていた時代だった。
有名なイントロのギター(松木恒秀)が素晴らしい。この曲のヒットの要因の半分はこの印象的なイントロにあると思う。
作詞:阿久悠 作曲:大野克夫 編曲:船山基紀
1977年の暮れに「勝手にしやがれ」でレコード大賞を受賞し、年が明けて1978年1月に放送が始まった『ザ・ベストテン』の第1回にこの曲(6位)で出演した。
「勝手にしやがれ」は白スーツだったけれど、この歌の衣裳とキザなポーズは、当時のテレビの常識では考えられなかったような、グラマラスでアブないカッコ良さだった。わたしは子供ながら、度肝を抜かれた。
わたしの親などはとにかく沢田研二を「気持ち悪い」と毛嫌いしていた。
世代間の断絶を初めて感じた瞬間であった。
この動画の、井上順との他愛のないトークからイントロが流れた瞬間、帽子を被って一瞬で「ジュリー」に変身するのがめちゃカッコ良い。
作詞:阿久悠/作曲・編曲:大野克夫
この時代のジュリーは、新曲の楽曲もさることながら、どんな衣装で歌うのかということでも注目を集めていた。個人的には衣裳・パフォーマンスとも、この「カサブランカ・ダンディ」が一番カッコ良かった。
わたしは中学生だったけれども、初めてジュリーがこの歌をテレビで歌った翌日には、そのジーンズのボタンを外しただらしない衣装と、酒を口に含んで霧を吹くパフォーマンスが教室で話題になっていたものだった。オリコン5位。
作詞:喜多條忠 作曲:大野克夫 編曲:後藤次利
『ザ・ベストテン』では第1回から、ジュリーは出すシングルすべてでベストテン入りを果たし、当時のジュリーの言葉で「1等賞」になれるかどうかが興味を惹かれるところだったのに、この曲は初めてベストテンにすら入ることができなかった(最高位13位)。
その前の「OH!ギャル」というクソみたいな曲ですら2位まで上がったというのに、当時のファンはやはり派手でポップなジュリーを求めていたのだろう。わたしもたぶんそうだった。
でもあらためて聴いたらこの曲はめちゃくちゃ素晴らしい。
バラードながらワイルドでカッコいい、ちょっとひと味違うオリジナリティがある。ジュリーの歌の上手さにもあらためて感動する。
作詞:阿久悠 作曲:大野克夫 編曲:船山基紀
22枚目のシングル。オリコン2位。当時は流行語になるほど広く知られた歌詞だった。
片手にピストル 心に花束
唇に火の酒 背中に人生を
(サムライ/作詞:阿久悠 作曲:大野克夫)
阿久悠の歌詞も凄いが、それを革ジャンにナチスの腕章をつけて歌い、後半ではドスを抜くという衝撃的な演出だ(もちろん大らかな昭和の時代といえども、この腕章は問題になり、後に衣裳を変更する)。
しかし、こんなことが似合う歌手は世界中でもこの人ぐらいのものだ。歌1曲に壮大な世界観を持たせるのがまた凄い。子供の頃は圧倒され、ドキドキしながら見惚れていた。
今見ても同じ気持ちだ。
作詞:阿久悠 作曲・編曲:大野克夫
沢田研二のシングルで最も売れた代表曲。オリコン1位。
いかにもジュリーらしい、ドラマチックなバラードの名曲。べつに歌詞にそういう描写もないのに、妙にヨーロッパ風なイメージが漂うのが不思議だ。
沢田研二主演のTBSドラマ『悪魔のようなあいつ』の主題歌として、演出家の久世光彦が阿久悠に歌詞を依頼し、何人かの作曲家に曲をつけさせて、久世が選んだのが大野克夫のバージョンだったという。
ここから、ジュリーの黄金時代を支えた、阿久悠&大野克夫のソングライター・コンビが誕生したのだった。
作詞:阿久悠 作曲:大野克夫 編曲:船山基紀
第19回日本レコード大賞受賞曲。
1977年の大晦日、小学生のわたしはテレビの前で、ジュリーがレコード大賞を獲るのを祈るような気持ちで、固唾を飲んで見ていたものだった。
あの頃のレコード大賞と言ったら年末の国民的関心事で、特にわたしのような子供にはノーベル賞と同じぐらいの権威があったものだった。
強烈なインパクトのイントロは日本の歌謡曲ならではだろう。洋楽でこんなに派手でカッコ良いイントロは聴いたことがない。日本のイントロ芸の極致だ。
阿久悠の、画が浮かぶ歌詞もまた素晴らしい。
ふざけた主人公が女性に愛想をつかされるが、まだ痩せ我慢してカッコつけようとする、実にカッコ悪い情景のはずなのだけれど、ジュリーが歌うと国籍不明の映画のようなカッコ良さになる。
わたしに音楽の素晴らしさを教えてくれた、永遠の1位だ。
以上、《沢田研二【名曲ベストテン】My 10 favorite KENJI SAWADA songs》でした。
これがわたしの音楽好きのすべての始まりだったのだなあとあらためて思いました。
ジュリーに最大のリスペクトと感謝を捧げます。