【ジャケで誤解しないように】ダリル・ホール&ジョン・オーツ/サラ・スマイル(1976)

Sara Smile

【70年代ロックの快楽】
Daryl Hall & John Oates – Sara Smile

ホール&オーツにとって初めてのヒット曲であり、全米4位の大ブレイク作となった。

ダリル・ホールが当時の恋人サラ・アレン(後に結婚)について書いた歌で、関係が壊れそうなのか、続きそうなのか、微妙な状況において、サラへの深い愛を伝えている内容だ。
ダリルにとっては「これまで書いた曲のなかで、もっとも純粋で、魂のこもった一曲」なのだそうだ。

ということなので、この曲が収録された彼らの4thアルバム『サラ・スマイル(Daryl Hall & John Oates)』のジャケットの、お化粧をした2人の関係を誤解した方は、そうではないのでご安心を。ご安心をというのも変だけれども。

わたしが17歳だった頃、古臭いフォーク・ソングばかり聴いていたわたしに、バイト先の先輩が「最先端の音楽を知りたければホール&オーツを聴いてみろ」と薦められてわたしは素直に彼らのベスト盤のレコードをレンタルして聴いてみたものだった。

時代の最先端なんかとはそのときもその後も常に無縁であったわたしにはその最先端という意味こそよくはわからなかったけれども、そのレコードの中で最初に印象に残ったのがこの曲だった。

やはり魂のこもった歌というものは、国境も時空も超えて、たとえ最先端とは無縁な人間にさえ、ちゃんと伝わるものである。