追悼 プリンス (1958-2016)

ザ・ヒッツ・コレクション [DVD]
またしても天才の早すぎる死だ。

独特のビートとグルーヴ感、ブラックミュージックとロックの完璧な融合、艶めかしく暴力的な自由すぎるギター、彼の存在はまさにジミ・ヘンドリクス以来の衝撃であり、突然変異のような孤高の天才だった。

わたしは彼がシンニード・オコナーに提供した「nothing compares 2 u」を聴いて彼の音楽に興味を持った。90年代前半ぐらいまでのアルバムをよく聴いたが、ここ最近はまったく遠ざかってしまっていた。
近年ではYoutubeで偶然見たトム・ペティやスティーヴ・ウィンウッドらとの共演「While My Guitar Gently Weeps」でのギタープレイが衝撃的なカッコ良さだった。

そしてこの文章を書きながら、彼が今年発表した最後のアルバム『ヒット・アンド・ラン フェイズ・トゥー』を聴いてみたのだけど、そのあまりの素晴らしさに驚いた。

プリンス流のファンクからラフなロックンロールまで粒ぞろいの曲が並び、今までにわたしが聴いたプリンスのアルバムでも、これがいちばん好きだと思うほどの、極上のアルバムだ。

未だにプリンスは新しい。
死ぬまで才能が枯れなかったのかと思うと、聴きながら鳥肌さえ立つような思いだ。
死んでしまったことにあらためて重大な損失と、悲しみを感じる。

アルバムの冒頭を飾る「ボルチモア」という曲は、昨年ボルチモアでまたしても黒人青年が警官に殺され暴動に発展した事件を受けて書き下ろし、事件後1カ月も経たないうちに発表された。
そして同時にまだ暴動の緊迫した空気の残るボルチモアの地でライブを開催したということだ。

年をとっても失わないその気力と行動力、そしていつもながら職人的な仕事の早さと完成度の凄さにリスペクトが止まらなくなってくる。

「ボルチモア」の歌詞(ネットで訳してくれている人の引き写しで申し訳ないが)は、「平和とは、戦争がないこと以上のもの」「我々はまだ、血塗られる日を見るのか」「人々が泣き、死んで行くのはもううんざりだ」「銃を捨てよう」「もうたくさんだ、今こそ愛が必要なとき」という内容らしい。

わたしの知っているプリンスの曲の中でも、トップを争うほど素晴らしい名曲である。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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コメント

  1. フェイク アニ より:

    RIP PRINCE
    まったく、今年はなんて年だ。
    愛してやまない殿下。
    『ボルチモア』、いい曲だわ。
    紹介してくれてありがとう。

    RIP PRINCE

  2. ゴロー より:

    よかった
    素晴らしい音楽を少しでも広めることの手伝いができれば、それが一番うれしいですね。

  3. まーこ より:

    素晴らしぃ!
    内容を読んでもっと鋭く突き刺さって来る曲かと思いきや、意表を突かれてとっても優しく温かぃ音が流れて来て、聴いていたら思わず涙がにじんで来ました。
    プリンスは情熱的な曲のイメージが強かったりするけど、私の好きな曲”ラズベリーベレー”の様に純粋過ぎる程に純粋で優しぃイメージでもあったんだと改めて実感しました。