山口百恵/夢先案内人(1977)

夢先案内人[山口百恵][EP盤]

【ニッポンの名曲】その2
作詞:阿木燿子 作曲:宇崎竜童 編曲:萩田光雄

その沢田研二の「勝手にしやがれ」と同じ年に発表された、山口百恵17枚目のシングル。

山口百恵は13歳の時に『スター誕生』出演して合格し、翌年14歳で「としごろ」でデビューする。

「としごろ」は名曲だと思うが、あまり売れなかったそうだ。

なので2枚目のシングルから「青い果実」「禁じられた遊び」と、少女が性の世界の入り口に足を踏み入れる気持ちを描いたような、ちょっとドギツイ方へと方向転換をはかった。

あなたが望むなら
私なにをされてもいいわ
いけない娘だと
噂されてもいい
(青い果実/作詞:千家和也 作曲:都倉俊一)

ローソクみたいな 燃える炎に
私の躰は熱くなる
思いもよらない愛の痛みが
私の心に突き刺さる
(禁じられた遊び/作詞:千家和也 作曲:都倉俊一)

という、まだJKですらない、14歳のJCが歌う歌としては、なんとも大胆な歌詞だ。
「性典ソング」とも呼ばれたらしい。本人はどう思って歌ってたのだろう。


この「夢先案内人」は、ジャケットもずいぶん大人っぽく見えるが、それでも18歳である。

前年の「横須賀ストーリー」で組んだ阿木・宇崎・萩田のソングライターチームが見事にハマってチャート1位となり、この「夢先案内人」でも再び1位となった。

それにしてもこの阿木・宇崎・萩田チームに、山口百恵のために歌を書かせようと考えたのは誰なのだろう。たぶんわたしなどは名前も知らないレコード・プロデューサーなのだろうが、慧眼という他ないだろう。

世間にはまったく名前も知られていないけれど、こういう裏方が意外と日本の歌謡史に重大な影響を与え、われわれのような社会の末端のゴミ人間たちの人生にまで深い影響を及ぼしていたりするのだ。


それにしてもこの山口百恵というヴォーカリストの存在感はどうだ。

実際には今も普通の主婦として生きている人なのだけど、伝説の歌姫感がすごい。

たった21歳での引退から、38年経った今でもその楽曲が聴かれ、その名を知らない人がいないぐらいの、日本のポップス史上最も有名な歌手のひとりである。

たしかに18歳でこの歌いっぷりは凄い。
眩しくて見てられないほど、ドキドキしてしまうようなオーラを感じる。


この曲は、山口百恵が優しい菩薩のような笑顔で歌う、数少ない曲のひとつだ。

月夜の海に 2人の乗ったゴンドラが
波も立てずにすべってゆきます
朝の気配が 東の空をほんのりと
ワインこぼした色に染めてゆく
(夢先案内人/作詞:阿木燿子 作曲:宇崎竜童)

阿木燿子のドリーミーな歌詞、宇崎竜童の才能の恐ろしさを感じるキャッチーなメロディに、萩田光雄のアレンジがまた素晴らしい。

山口百恵の楽曲で、わたしが一番好きな曲だ。

たまたま前回の【ニッポンの名曲】初回で選んだ沢田研二の「勝手にしやがれ」と同年の曲だが、今思えばこの時代、毎週のように歌番組に沢田研二や山口百恵が出ていたんだなあ。
当時としてはめずらしくもない、あたりまえだったのだけど、現在では伝説感が凄すぎる2人なので、奇跡の時代のように思えてしまう。

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