No.424 ルイ・アームストロング/この素晴らしき世界 (1967)

WHAT A WONDERFUL WORLD
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その424
Louis Armstrong – What A Wonderful World

さすがにこれをロッククラシックとは言わないだろうけど、わたしはこの曲が大好きだ。これまで聴いたすべての曲の中から十曲だけ選ぶとしても、この曲は入れるだろう。
広大な宇宙のどこかにいる異星人に向けて、無人ロケットに乗せる地球代表の楽曲を選ぶ総選挙があったとしたら、わたしはこの曲に一票入れるだろう。

この曲は音楽プロデューサーのボブ・シールが、ジョージ・ダグラスという変名で書いたものだ。
時は1967年、彼はベトナム戦争を嘆きながら、平和な世界を夢見て、この曲を書いたそうだ。

空に虹が架かり、人々の顔は幸せに満ちている
友人たちが「元気か?」って握手をする
君は僕の大切な人だって伝えてるんだよ

赤ん坊たちが元気に泣いている
彼らの成長が楽しみだ
きっと彼らは僕よりずっと多くのことを学ぶだろう
僕は心の中で思うんだよ
なんて素晴らしい世界なんだろうって
(written by Bob Thiele, George David Weiss)

この曲はなぜか本国アメリカでは大ヒットにはならなかった。なのにイギリスではチャート1位となった。

1987年のアメリカ映画、ロビン・ウィリアムズ主演の『グッドモーニング、ベトナム』に使われたことで、当時リバイバルヒットにつながった。
ベトナムの美しい村が破壊され、燃え上がり、ベトナムの人々やアメリカ人の若者たちが無残に死んでいく映像とこの美しい曲との究極の対照は、わたしにも強烈な印象を残した。

この曲は雄大な大自然の映像にだって合うし、普通の人々の平凡な生活のシーンにも合うだろう。
逆に、悲惨な戦場や災害、あるいはこの世の終わりのような場面にもこの音楽は胸に刺さるだろう。

すべての地球の営みに、この優しい歌はとてもよく合うのだ。

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