Yellow Magic Orchestra – La femme Chinoise
1stアルバム『イエロー・マジック・オーケストラ』収録曲で、初期の代表曲。タイトルはゴダールの映画のタイトルから取られている。
このアルバムには他にも「東風」「マッド・ピエロ」の2曲も同様にゴダール作品のタイトルを取っているが、当時坂本と高橋がゴダールにハマっていたからという理由らしい。
そういえば、わたしはこのLPレコードを中学の時に聴いていたので、先日〈【きょうの余談】初めて買ってもらったレコード〉の項で、当時は『パブリック・プレッシャー』1枚しか持ってなかったように書いたけど、あれは間違いだった。その後すぐにこれも入手していたので2枚だ。買ってもらったんじゃなくて自分のお小遣いで買ったのかもしれないけれども。
中学の頃はYMOと言えば「テクノポリス」や「ライディーン」みたいなものがやっぱり好きだったけれど、その後わたしも成長しつつ、ロックだのフォークだのパンクだのいろいろなものを聴いて、後年あらためてYMOを聴き直したときに惚れ直したのがこの「中国女」だった。
高橋ユキヒロが書いた曲で、特にこの動画で3分53秒から始まる高橋のヴォーカルが衝撃的なカッコ良さだ。
リーダーの細野晴臣はもともとYMOをインスト専門のバンドと考えていたが、これを聴いて方針転換し、高橋ユキヒロをリード・ヴォーカルに決め、YMOの音楽性を拡げることが出来たと語っている。
高橋はロキシー・ミュージックのブライアン・フェリーのヴォーカルに影響を受けているらしいのだけど、そのブライアン・フェリーは実はボブ・ディランの歌い方に影響を受けているのだ。
ここでYMOとボブ・ディランという、真逆のように思える音楽が繋がるのが面白い。
ロックというものは、なんやかんやで繋がっているのだ。
その高橋ユキヒロは先月、脳腫瘍の摘出手術を行い、現在は科学治療によるかなり辛い副作用と闘いながら入院治療中らしい。
本人のTwitterの、次の投稿に心を打たれる。
毎日、朝、夜に届く教授からのメッセージ、
嬉しい、とか有難いとか、の次元ではなく。
只々心から感謝しています。
こんな時、どうしたらいいんだろう、って迷いに落ち込んだ時、室内に吹く風のように感じるんです。全ては、治るため、治るためだよ、って,,,
— yukihirotakahashi (@room66plus) September 22, 2020
「教授」とはもちろん、YMOの盟友、坂本龍一のことだ。彼が毎日頻繁にメッセージを送っているという事実に我々ファンは感動せずにいられない。
高橋ユキヒロの闘病を、心から応援したい。