筒美京平【名曲ベストテン】KYOHEI TSUTSUMI Greatest 10 Songs

筒美京平自選作品集 50th Anniversaryアーカイヴス アイドル・クラシックス

シングルレコード総売上枚数7,560万枚。これは日本の作曲家としては歴代1位だ。そしてもう二度とこの記録が抜かれることはないだろう。

筒美京平は「ヒットメーカー」と呼ばれるのを気に入っていたという。
自分が好きな曲を書くことはなく、人々を感動させる曲を書こうと思ったこともなく、ただただヒットさせることだけを目指して曲を書いたと彼は語った。

ヒットすれば成功、しなければ失敗であり、だれかがマイナーな作品を挙げて「○○という曲が好きです」と言っても「あれはヒットしなかったね」という答え方しかしなかったそうだ。

それでも彼の書く音楽は、他の誰にも書けないオリジナルな音楽だった。

70年代のシンガーソングライターたちの台頭には彼も脅威を感じたものの、「彼らは芸術家、僕は職業音楽家」と言い、その芸術家たちがが生涯に1曲でも書けたらいいほどの名曲を筒美は月に何十曲も書いて見せた。最も多いときで筒美は、1カ月に45曲を書いたそうだ。

彼は「芸術家」たちなどが足元にも及ばない、名曲を量産できる職業作曲家であり、天才的なアレンジャーであり、日本の歌謡曲の歴史をつくったヒットメイカーだった。
われわれのような昭和の時代に少年時代を過ごしたものにとって、彼の音楽はそのまま血肉になっていると感じる。

以下は、わたしが愛する筒美京平の至極の名曲ベストテンです。

選んでみて、わたしはやっぱり70年代の作品が好きなのだなとあらためて思った。
曲というより、アレンジが70年代のものの方が好きなのだと思う。

第10位 ジュディ・オング/魅せられて(1979)
作詞:阿木耀子 作曲・編曲:筒美京平

オリコンチャート1位、120万枚以上を売り上げ、筒美作品中最大のセールスを記録したシングル。第21回日本レコード大賞、大賞受賞。

ミッツ・マングローヴによれば、「おカマはみんな、カーテンを衣裳に見立ててマネをした」とのこと。

第9位 南沙織/17才(1971)
作詞:有馬三恵子 作曲・編曲:筒美京平

初めて筒美と南沙織が顔を合わせたとき、筒美が「なにが歌える?」と訊くと南が「リン・アンダーソンのローズ・ガーデン」と答えたことから、よく似たこの曲が生まれたという。オリコン2位の大ヒットとなった。

「17才」の過去記事はこちら

第8位 堺正章/さらば恋人(1971)
作詞:北山修 作曲・編曲:筒美京平

オリコン2位の大ヒットとなり、第13回レコード大賞大衆賞を受賞。
この年、筒美は名曲を連発し、黄金時代の幕開けとなった。

「さらば恋人」の過去記事はこちら

第7位 大橋純子/たそがれマイ・ラヴ(1978)
作詞:阿久悠 作曲・編曲:筒美京平

当時28歳だった大橋純子の10枚目のシングルとして発売され、オリコン2位と、彼女の最大のヒットとなった。

あたりまえのことなのだろうけど、ちゃんと歌手のキャラクターに合わせてヒット曲を書き分ける、「職業作曲家」としての筒美の底知れぬ才能が凄すぎる。

第6位 岩崎宏美/ロマンス(1975)
作詞:阿久悠 作曲・編曲:筒美京平

岩崎宏美の2ndシングルで、オリコン1位の大ヒットとなった彼女の代表曲。当時17歳とは思えない彼女の歌唱力も素晴らしい。

当時流行し始めていたディスコ・サウンドを取り入れた先駆的作品だった。

第5位 松本伊代/センチメンタル・ジャーニー(1981)
作詞:湯川れい子 作曲:筒美京平 編曲:鷺巣詩郎

松本伊代のデビュー・シングルで、オリコン9位、34万枚を売る、彼女にとって最大のヒットとなった代表曲。筒美京平の才能とポップ・センスにひれ伏したくなる素晴らしい曲だ。

とりあえず伊代ちゃんには何歳になろうが「伊代はまだ、16だから」と歌ってほしいものである。彼女ならそれができる。

第4位 郷ひろみ/よろしく哀愁(1974)
作詞:安井かずみ 作曲:筒美京平 編曲:森岡賢一郎

郷ひろみにとって唯一のオリコン1位となった大ヒット曲で、当時彼が所属していたジャニーズ事務所にとっても記念すべき初のオリコン1位だった。

第3位 尾崎紀世彦/また逢う日まで(1971)
作詞:阿久悠 作曲・編曲:筒美京平

もともとはズーニー・ヴーというグループ・サウンズのバンドのために書かれた「ひとりの悲しみ」という曲だった。メロディもあのイントロもまったく同じだがなぜかヒットせず、阿久悠が歌詞を書き直して尾崎紀世彦に歌わせると、オリコン1位、レコード大賞受賞の大ヒットとなった。

「また逢う日まで」の過去記事はこちら

第2位 太田裕美/木綿のハンカチーフ(1975)
作詞:松本隆 作曲・編曲:筒美京平

オリコン2位の大ヒットとなった太田裕美のブレイク作。

恋人同士の手紙のやりとりを交互に歌い、贈り物を送るの送らないのという構成と内容は、松本隆がボブ・ディランの「スペイン革のブーツ(Boots of Spanish Leather)」を手本にして書いたものだった。

歌詞が注目されることが多い曲だが、メロディがまた素晴らしすぎて、聴くたびに泣きそうになってしまう。

第1位 平山三紀/真夏の出来事(1971)
作詞:橋本淳 作曲・編曲:筒美京平

平山三紀の2枚目のシングルで、オリコン5位のヒットとなった。

この曲が発売された当時はわたしは5歳なのでもちろんリアルタイムでは知らなかったが、もう二十歳も過ぎてすっかりロックだのパンクだのに燃えてたときに偶然この曲を聴いて、衝撃を受けた。

シンプルなメロディとシンプルなアレンジがこれ以上ないほど美しい、完璧な日本語のポップスに聴こえた。
それ以来、筒美京平という名前を意識するようになり、ニッポンの歌謡曲って凄いんだな、と思うようにもなったのだった。

「真夏の出来事」の過去記事はこちら

選んだ10曲がぶっ続けで聴けるまとめ動画集をYouTubeで作成しました。

↓まとめ動画集

ぜひお楽しみください。

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コメント

  1. 遠州ヒマ助 より:

    こんばんは。
    こうしてみると名曲,大ヒット曲のオンパレードですね。第1位に「真夏の出来事」を持ってくるとはさすがです。この曲を知っている人は今ではほとんどいないんじゃないかな。私は野口五郎の「甘い生活」,中原理恵の「東京ララバイ」が好きです。

    • ゴロー より:

      「東京ララバイ」はいいですね!
      これはわたしもベストテンに入れるかどうかで悩んだ曲です。
      中原理恵もキレイでした。

      でもなにしろ名曲ばっかりなので、とても10曲には絞れないですね。。