【音楽映画の快楽】
Detroit Rock City
Detroit Rock City
監督:アダム・リフキン
主演:エドワード・ファーロング、ジェームズ・デベロ
1978年を舞台に、キッスの熱狂的ファンの田舎の高校生4人が、あの手この手を使い、デトロイトで開催されるキッスのライヴを見ようと悪戦苦闘する物語。
もともとチケットはちゃんと4人分購入していたのだけれど、キッスを悪魔の音楽と嫌悪する母親に見つかり、目の前でチケットに火をつけて燃やされたのだ。
わたしも幾多の映画で大悪党やクソ人間を見て来たけれど、このクソババアほど憎悪を覚えたことはないと思った瞬間だった。
全体としてはホントにくだらないドタバタコメディである。
全然笑えないギャグシーンも延々と出てくるので、忍耐も必要だ。
デトロイトに着いてからチケットを手に入れるために奔走した1時間半ほどのあいだに、童貞を捨てたり、悪党をやっつけたりして、なぜか彼らは男としての劇的な成長を遂げる。この辺はなんだか往年の『グローイング・アップ』みたいで、バカバカしいながらもちょっと楽しい。
そしてラストに登場する本物のキッスのライヴ・ステージは、それまでがくだらなすぎたせいもあって、キッスがあれほど神々しく見えたことはないほどだった。
このバンドを見るためなら、ガキ共はそりゃ必死にもなるわさ。
くだらないと思いつつもいつのまにかあのバカな高校生たちに感情移入していた自分に大苦笑いである。
全編に流れる1978年当時のロックナンバーもまた楽しい。
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