ジョニー・キャッシュ/アイヴ・ビーン・エヴリウェア(1996)

American II: Unchained [12 inch Analog]

【カバーの快楽】
Johnny Cash – I’ve Been Everywhere

「アイヴ・ビーン・エヴリウェア」は、1959年にオーストラリアのカントリー・シンガー、ジェフ・マックが書いた曲だ。
それを同国のシンガー、ラッキースターが1962年に発表し、オースラリア・チャートの1位になるなど大ヒットした曲だ。

「おれはあらゆる所に行ったんだ」と歌い、オーストラリアの地名をマシンガンのように挙げていく曲だ。「地名が出てくる歌好き」のわたしにはたまらない曲である。ただ羅列するだけではなく、一応地名で韻を踏んでいくのも面白い。

これを同年に、歌詞の地名をアメリカ周辺の地名に変えた米国バージョンを歌ったのが、カントリー界のレジェンド、ハンク・スノウで、これも米カントリー・チャート1位の大ヒットとなった。

ジョニー・キャッシュが1996年に録音したのはこのハンク・スノウのバージョンのカバーで、『アメリカン・レコーディングスⅡ(American II: Unchained)』に収録された。

ジョニー・キャッシュ64歳のときの録音だが、黒光りした低音ヴォイスが速射砲のように地名を挙げていく様がカッコいい。64歳でも、まだまだエネルギッシュだ。

このジョニー・キャッシュのバージョンは、2006年のディズニー・ピクサーの映画『カーズ』でも使用された。
この映画をわたしは見たことがないが、シリーズを通して、やけにカントリー・ロックが充満しているらしい。
機会があったら見てみよう。

↓ ハンク・スノウのバージョン。

↓ ラッキー・スターによるオリジナルのオーストラリア・バージョン。圧倒的な速さ。

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