レッド・ホット・チリ・ペッパーズ/キャント・ストップ(2003)

バイ・ザ・ウェイ

【21世紀ロックの快楽】
Red Hot Chili Peppers – Can’t Stop

世界中でナンバー1となり、日本でもオリコン4位という驚異的な売れ方をした8thアルバム『バイ・ザ・ウェイ(By The Way)』からのシングル。全米57位、全英22位。

この曲はその後、現在に至るまでライヴのオープニング・ナンバーとして演奏されている。

硬質でファンキーなギターとスラップ・ベースにラップ調のヴォーカルが乗り、ややメランコリックなコーラスがかぶさってくる曲作りは、こういうのはやっぱりレッチリならではのポップ・ソングだなあと感心させられる。

この曲はまだ、レッチリらしさが良く出ている曲だが、アルバム全体としては以前のようなファンク色が薄まり、メロディアスでポップな印象だ。まるでオアシスか何かのような。
ドラマーのチャドがこのアルバムを「very John」と評したように、全編ジョン・フルシアンテ色の濃いアルバムとなっている。

このアルバムの制作ではフルシアンテとフリーの激しい対立があったそうだ。フリーは「本気で脱退を考えた」とまで語っている。

思いとどまってくれて良かった。

フリーこそはレッチリのシンボルだ。彼がいなかったらわたしはレッチリを聴くことはなかっただろう。

フリーはロック史に2人といない、個性的で天才的なベーシストであり、あのぶっ飛んだライヴ・パフォーマンスも、ユーモラスなキャラクターも、わたしは大好きだ。

実は紳士的であり、ジャズに造詣が深く、チャールズ・ミンガスをリスペクトする一方、フェイヴァリット・アルバムはクラッシュの『サンディニスタ!』で、46歳で南カリフォルニア大学に入学して音楽理論とトランペットを学び直したという勤勉な素顔も含め、わたしは彼という人間を心から敬愛している。

ちなみにフリーという名前は自由奔放な「Free」なのかと思ってたら、「Flea」が正しく、ノミという意味なんだそうだ。彼のハネまくるライヴ・パフォーマンスから名付けられたそうだ。

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