キッス/デトロイト・ロック・シティ(1976)

Destroyer [12 inch Analog]

【70年代ロックの快楽】
Kiss – Detroit Rock City

この曲のせいで、ずっと長いあいだわたしは、キッスをデトロイト出身のバンドだと思っていた。
しかしキッスはニューヨークの出身なのだ。ニューヨーク感はまったくないけれども(※個人の感想です)。

この曲は、アリス・クーパー(正真正銘のデトロイト歌手)のプロデューサーだったボブ・エズリンを迎えて作られた4枚目のアルバム『地獄の軍団(Destroyer)』のオープニング・トラックだ。

リード・ヴォーカルのポール・スタンレーとボブ・エズリンによって書かれた曲で、中盤のギター・ソロもボブ・エズリンが弾いている。というのも、当時のキッスは技術的にだいぶ実力不足だったらしいのだ。

ポールが後に「まるで新兵訓練ぐらいハードだった。でもあのおかげでおれたちは成長できたんだ」と語るほど厳しいレコーディングだったらしい。しかし結果的にこのアルバムがキッスの代表作となり、世界的な人気を得ることになった。

この曲はその後のライヴのオープニング・ナンバーとして定着した。それは45年経った現在でも変わっていない。
現時点で最新のライヴのセットリストが以下の通り(2020年12月31日 アラブ首長国連邦パームジュメイラでの公演)。

Detroit Rock City
Shout It Out Loud
Deuce
Say Yeah
I Love It Loud
Heaven’s on Fire
Tears Are Falling
War Machine
Lick It Up
Calling Dr. Love
100,000 Years
Cold Gin
God of Thunder
Psycho Circus
Parasite
Love Gun
I Was Made for Lovin’ You
Black Diamond

アンコール
Beth
Strutter
Do You Love Me
Rock and Roll All Nite

さすがはキッス、ファンの期待を裏切らない。代表曲を網羅したセットリストだ。きっと誰もが満足して帰ったに違いない。
彼らはこれを45年間演り続けてきたのだろう。素晴らしい。もはや伝統芸能みたいなものだ。あのメイクも含めて、ニューヨークの歌舞伎一座と言ってもいいのかもしれない(いいわけない)。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする