アヴィーチー/ザ・デイズ(2014)

ザ・デイズ

【21世紀ロックの快楽】
Avicii – The Days

世界的ヒットとなった1stアルバムの翌年にリリースされた2曲入りEP『The Days / Nights』の収録曲。本国スウェーデンでは1位の大ヒットとなった。ヴォーカルを取っているのはスウェーデンのアーティスト、セーラム・アル・ファカーという人らしい。

「こんな日々をずっと待ち望んでた。僕らはこの日々を悔やむことはない。僕らはこの日々を決して忘れない」と歌う、輝かしいけど儚い青春を謳歌する若者賛歌のような歌だ。わたしはこの曲を聴くとなぜかグッとくる。若者でもないのに。

当時最新のEDMサウンドながら、しかしメロディはまるで古いアニソンみたいにわかりやすい。
最初から最後まで、練り上げられた大小のメロディで組み立てられている。彦摩呂風に言うなら、メロディの宝石箱だ。

前代未聞のアイデアと時代の先端を行くサウンド、クラブで踊り狂う若者たちから、夜中に部屋でじっとヘッドホンで聴いているわたしのようなオッサンまで、世代を超越するような普遍性と大衆性、それらをすべて兼ね備えた音楽。

そんなものを作れるアーティストは滅多にいない。

大昔からときどきミューズ(音楽の女神)は、その時代にどうしても必要な音楽を地上に与えるために、人間離れした才能を持つ天才を送り込んできたものだ。

しかし彼らは、地上での短期滞在でその任務を終えると、またすぐに天へと連れ戻されてしまい、われわれを哀しませるという、それもまたいつもの無慈悲なミューズのやり口なのだ。

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