名盤100選 96 ザ・プリテンダーズ『グレイテスト・ヒッツ』(2000)

グレイテスト・ヒッツ

あらためて聴いても、やっぱりいい声だ。

ザ・プリテンダーズは、ご存知の通り女性ヴォーカルのロックバンドだ。
女性ヴォーカルのロックバンドはイギリスでは意外と少なく、めずらしい存在だった。

上のアルバムジャケットの女性がヴォーカルのクリッシー・ハインドだが、もともとはイギリスの有名な音楽雑誌”NME”の女性記者だった。
なので、いかにもそれらしい、しっかりした性格と知性を感じさせるような、低い魅力的な声である。”姉御系”と呼ばれたりもする。男性からも女性からも支持されるタイプだ。

なんだかんだ言ってもロックバンドの世界というのは男社会なので、男勝りで、女性的要素が若干な少なめなぐらいじゃないとなかなか成功もしないのだろう。
クリッシー・ハインド、ジョーン・ジェット、スージー・スー、デボラ・ハリー、ジャニス・ジョプリン、アニー・レノックス、コートニー・ラヴ、グウェン・ステファニー、クランベリーズのドロレス・オリオーダン、…まあそれにしても、若いころのデボラ・ハリーを除けば、あまりにも下半身に響かない顔ぶれである。でもきっと肉食系だという気がする。

アメリカのブロンディが50年代のアメリカン・オールディーズのエッセンスを感じるとしたら、このプリテンダーズは60年代ブリティッシュ・ビートバンドのエッセンスが感じられる。
きわめてシンプルなロックあるいはポップスと言えるが、そのシンプルさゆえに、時代を超越して聴ける音楽になっていると思う。
たぶん今初めて聴いたとしても、古くさくて聴きづらい、という感じはしないのじゃないかな、という気がする。

デビュー曲「ストップ・ユア・ソビン」は、キンクスのカバー曲だ。
たぶんこのカヴァーがきっかけなのだろうが、クリッシー・ハインドはキンクスのレイ・デイヴィスと付き合い、彼の子供を産んでいる。結婚は、たぶんしていない。できちゃった結婚、というのはよくあるが、できちゃっても結婚しない、というのは、なんだか、さすがとしか言いようがない。
なにがさすがなのかよくわからないが。

プリテンダーズは1979年にデビューして以来、メンバーチェンジは繰り返すものの一度も解散することなく、芸歴33年、現在も活動を続けている。
素晴らしい。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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