プリテンダーズ【名曲ベストテン】Pretenders Greatest 10 Songs

グレイテスト・ヒッツ<ヨウガクベスト1300 SHM-CD>

米オハイオ州出身のクリッシー・ハインドは、「理由はないけど、なんとなくそこに住み続けることが我慢できなくて」イギリスに渡り、音楽雑誌《NME》の記事を書いたり、マルコム・マクラレンのブティック《SEX》で働き、セックス・ピストルズのメンバーと知り合う。
そして自身もプリテンダーズを結成し、1979年に28歳でデビューした。

時代はポスト・パンク~ニュー・ウェイヴの時代で、ロックが解体され、新たなアプローチやスタイルが模索されたシーンの中で、プリテンダーズはキンクスの最初期のナンバーという60年代ロックのカバーをデビュー・シングルに選び、堂々たる王道ロックの道を突き進んだのだった。

奇を衒わず、それでいて新鮮な響きのサウンドも良いが、なによりも魅力的なのはクリッシー・ハインドのその声とソングライターとしての才能だろう。

女子ロッカーがやりがちな無理な虚勢を張ることなく、意志の強さやクールな知性、そのうえユーモアや温かみもあり、声にリアリティと説得力がある。色気だって少しはある。こんなヴォーカリストは他にいない。そのうえ、数多くの独創的な名曲を書いた。

クリッシー・ハインド以外はその後メンバーが何度も入れ替わり、実質は彼女がいればプリテンダーズということになるが、結成から42年、一度も解散することなく、今なお現役である。

以下は、わたしが愛するプリテンダーズの至極の名曲ベストテンです。

第10位 プレシャス(1979)
Precious

songwriter : Chrissie Hynde

Pretenders [Explicit]

いきなり全英1位を獲得したプリテンダーズの1stアルバム『愛しのキッズ(Pretenders)』のオープニングを飾る曲。

静かにキレているような緊張感のある曲調と、「ファック・オフ!」と吐き捨てるところがカッコいい、パンク・ロック・ナンバーだ。

動画では、クリッシーの黒いマスカラが汗で流れてジョーカーみたいになってるのを気にもとめず堂々と歌っているのがまたカッコいい。

第9位 トーク・オブ・ザ・タウン(1980)
Talk of the Town

songwriter : Chrissie Hynde

Pretenders II

2ndアルバム『プリテンダーズⅡ(Pretenders II)』からのシングルで、全英8位のヒットとなった。

「You’ve changed…」のところがシビれる。

第8位 スタンド・バイ・ユー(1994)
I’ll Stand by You

songwriters : Chrissie Hynde, Tom Kelly, Billy Steinberg

Last of the Independents

6枚目のアルバム『ラスト・オブ・インディペンデンツ(Last of the Independents)』からのシングルで、全英10位、全米21位のヒットとなった。

アメリカン・ロック・バラード風のナンバーで、アメリカではそれまでで最も売れたシングルとなった。

第7位 フォーエヴァー・ヤング(1994)
Forever Young

songwriter : Bob Dylan

Last of the Independents

『ラスト・オブ・インディペンデンツ』のラストを飾る、ボブ・ディランの名曲の新たな魅力を引き出した、素晴らしいカバーだ。

少年とシャチの感動物語、映画『フリー・ウィリー2』のエンド・ロールでも使用された。
「泣ける」と評判の映画だったけれど、この曲が流れるエンディングはいかにも泣けそうだ。

「フォーエヴァー・ヤング」の過去記事はこちら

第6位 愛しのキッズ(1979)
Kid

songwriter : Chrissie Hynde

Pretenders [Explicit]

2ndシングルとして発表され、全英33位。日本ではこの曲でブレイクした。

イントロのギターの響きだけでときめいてしまう、なんだか胸が熱くなる曲だ。辛い境遇にある少年を慰めるように歌うクリッシーの優しいヴォーカルが魅力だ。

「愛しのキッズ」の過去記事はこちら

第5位 ドント・ゲット・ミー・ロング(1986)
Don’t Get Me Wrong

songwriter : Chrissie Hynde

Get Close

4枚目のアルバム『ゲット・クロース(Get Close)』からのシングルで、全英10位、全米28位のヒットとなった。

朝のワイドショー『とくダネ!』で長いあいだ使用されたので、日本では最も知られているプリテンダーズの曲になっているのではないか。

ワイドショーのテーマなんて、イメージダウンでしかないけれども。

第4位 ストップ・ユア・ソビン(1979)
Stop Your Sobbing

songwriter : Ray Davis

Pretenders [Explicit]

プリテンダーズのデビュー・シングル。全英34位のヒットとなった。

原曲はキンクスの1stアルバムに収録された曲で、シングル・カットはされていないが、アルバムの中で最も独創的な曲として異彩を放っている名曲だ。

これをデビュー・シングルに選んだというところに、センスの素晴らしさを感じる。
プロデュースはニック・ロウだ。

「ストップ・ユア・ソビン」の過去記事はこちら

第3位 恋のブラス・イン・ポケット(1979)
Brass in Pocket

songwriters : Chrissie Hynde, James Honeyman-Scott

Pretenders [Explicit]

1stアルバムからのシングルで、この曲の全英1位となる大ヒットでプリテンダーズは大ブレイクした。

間奏もなく、サビらしいサビもないのに、一度聴いたら忘れられない、独創的なナンバーだ。

動画は、当時44歳の可憐なクリッシー・ハインドが、ミニスカートで挑発的なガニ股踊りをする、何度でも見たくなる貴重映像だ。

「恋のブラス・イン・ポケット」の過去記事はこちら

第2位 チェイン・ギャング(1982)
Back on the Chain Gang

songwriter : Chrissie Hynde

ラーニング・トゥ・クロール

2ndアルバムと3rdアルバムの間に発表されたシングルで、親しみやすい曲調で全英17位のヒットとなった。

サム・クックの「チェイン・ギャング(Chain Gang)」からインスパイアされた曲で(曲調は全然違うけれど)、サム・クック版にある「ウッ、ハッ」という掛け声をサビの部分で使っている。

「チェイン・ギャング」の過去記事はこちら

第1位 ミドル・オブ・ザ・ロード(1983)
Middle of the Road

songwriter : Chrissie Hynde

ラーニング・トゥ・クロール

1stと並ぶ名盤3rd『ラーニング・トゥ・クロール(Learning To Crawl)』の、超カッコいいオープニング・ナンバー。
これを聴いたらたいていのロック好きは「おおっ!」と前のめりになるはずだ。

前作から3年が経過し、その間にベーシストがドラッグ問題で解雇、さらにギタリストもドラッグで急死という不幸を乗り越えて発表されたアルバムは、前作までより一回りも二回りも成長したクオリティの高さを感じる。

「ミドル・オブ・ザ・ロード」の過去記事はこちら

プリテンダーズの入門用ベスト盤には『グレイテスト・ヒッツ』がお薦めだ。最初に聴くべき代表曲はすべて網羅されている。

選んだ10曲がぶっ続けで聴けるまとめ動画集をYouTubeで作成しました。

↓まとめ動画集

ぜひお楽しみください。

以上、プリテンダーズ【名曲ベストテン】Pretenders Greatest 10 Songsでした(by goro)

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