No.121 サイモン&ガーファンクル/サウンド・オブ・サイレンス (1964)

Wednesday Morning 3am
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その121
Simon And Garfunkel – The Sound Of Silence

てっきりこの曲は67年のダスティン・ホフマン主演の映画『卒業』で有名になったのかと思いこんでいたが、違っていたようだ。

もともとは1964年の彼らの1stアルバム『水曜の朝、午前3時』に収められていた曲で、そのときはヴォーカルとアコギだけのバージョンだった。

このアルバムはまったく売れなかったらしいが、公民権運動の活動家だった友人の死への無念と怒りと悲しみを歌ったこの曲が学生たちに評判となっているのを知ったプロデューサー、トム・ウィルソンが、ディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン」のレコーディングのために集まっていたミュージシャンを使ってバンドサウンドをオーバーダビングし、サイモン&ガーファンクルのふたりには無断で勝手にシングルとして翌年に発売したらしい。

作者のポール・サイモンは激怒したらしいが、シングルは全米1位に輝いた。
『卒業』はその2年後にこの楽曲や「ミセス・ロビンソン」を挿入歌として製作された。

わたしは二人のコーラスとアコギが美しく溶け合う、64年のアコギバージョンのほうが好きだ。

「暗闇」のことを「僕の古い友人」と呼んで、難解な言葉を紡いでゆくイメージは、狂気の一歩手前のような憤りと厳粛な哀しみを感じさせる。

深く、美しい曲だ。

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コメント

  1. U・M より:

    初めまして。
    1964年版(所謂「水曜日の朝・午前3時」バージョンの)サウンド・オブ・サイレンスは
    たった1度だけ、確か1985年頃ラジオの「オールナイトニッポン」で聴いた事が有りました。

    で、曲が終わった後、パーソナリティの方(何曜日で、誰がパーソナリティだったかは
    流石に忘れてしまいましたが)が「映画の「卒業」で流れてたバージョンに比べて
    若干淡白な感じでしたね」と述べたのを覚えています。

    • Goro より:

      コメントありがとうございます。

      そうですね。映画版のほうがアレンジが派手なので、そっちを先に聴いてしまうと、オリジナルは淡白で地味な印象を与えてしまうかもしれませんね。

      でもその淡白さが味わい深くていいなと思う時もあります。