ジャーニー/クライング・ナウ(1981)

エスケイプ +7(期間生産限定盤)

【80年代ロックの快楽】
 Journey – Who’s Crying Now

今年は前代未聞の大酷暑だ。なので聴く音楽も、自然と暑苦しい音楽を避けたくなる。
どちらかというとカラッとしたイーグルスや、濡れタオルのようなフリートウッド・マック などを聴いていたのだけど、残暑がまだまだ続く中、このジャーニーなんかも意外と涼味で心地よい。
イーグルス が昔ながらの扇風機とするなら、ジャーニーはもっとメカ的に作り込まれた冷風機のような感じだ。 

この曲はジャーニーにとって初の全米1位となった7枚目のアルバム『エスケイプ』からのシングルで、全米4位の大ヒットとなった。 

ジャーニーの音楽は「産業ロック」などと揶揄されたりもした。
「産業ロック」なんてもう死語なので、死語好きのわたしは使ったりもするけれど、考えてみたらおかしな言葉だ。

自分の作った音楽が売れて欲しいと思っているのはどのアーティストでも同じだし、売れる曲を書けるのはほんの一握りの、才能を持った者である。
音楽性の好き嫌いはしょうがないけど、売れる音楽を作ること自体を否定したらもう意味がわからない。
そんなことを言ったらビートルズは元祖産業ロックだし、U2 もストーンズも大産業ロックに違いない。 

かく言うわたしはジャーニーのそのサウンドの質感や、わたしの歩幅に合わない退屈なバラードとかが好みではなくてあまり聴いてこなかったけれど、残暑も厳しいこんな季節にこれ以上熱くなりたくないときに聴くには、この疲れないサウンドとわかりやすいメロディは合ってるなあと思うのである。 

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