No.400 プリンス/ボルチモア (2015)

Hitnrun Phase Two
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その400
Prince – Baltimore

プリンスは2016年の4月、自宅兼スタジオである《ペイズリー・パーク》のエレベーター内で死亡しているのを発見された。

死因は、腰痛のために使用していたフェンタニルという鎮痛剤の過剰摂取だったということだ。
フェンタニルはモルヒネやヘロインよりも強力な薬らしい。
違法薬物ではないけれど、日常的に依存していたようだ。

仕方がない。腰が痛いのはつらいもの。
まだたったの、57歳だった。

彼はロック、R&B、ファンク、ブルース、ヒップホップ、ダンスミュージック、ありとあらゆるポップ・ミュージックのすべてを自分の音楽としてさまざまなかたちに融合させた、突然変異のような孤高の天才だった。

その彼が死の4カ月前に発表した最後のアルバムが『ヒット・アンド・ラン フェイズ・トゥー』である。
アルバムは、プリンス流のファンクからラフなロックンロールまで、粒ぞろいの曲が並ぶ極上のアルバムだ。
わたしはプリンスのアルバムの中で、これがいちばん好きだ。

プリンスの音楽は、デビューしてからこの世を去るまで、ずっと新しかった。
死ぬまで才能が枯れなかったのかと思うと、聴きながら鳥肌さえ立つような思いだ。

そのアルバムの冒頭を飾るのがこの「ボルチモア」だ。
ボルチモアで黒人青年が警官に殺され、暴動に発展した事件を受けて書き下ろし、事件後1カ月も経たないうちに発表された。
そしてまだ暴動の緊迫した空気の残るボルチモアの地でライブを実施した。

年をとっても失わないその気力と行動力、そしていつもながら職人的な仕事の早さと完成度の凄さにリスペクトがとまらない。

平和とは、戦争がないこと以上のもの
我々はまだ、血塗られる日を見るのか
人々が泣き、死んで行くのはもううんざりだ
銃を捨てよう、もうたくさんだ
今こそ愛が必要なんだ
(written by Prince)

イントロから、ギターの美しい音色が胸に刺さる。
ロックを変えたプリンスの数々の名曲のひとつとして、この曲もぜひ代表曲として聴き継がれてほしいものだ。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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