ザ・スミス/パニック(1986)

Louder Than Bombs

【80年代ロックの快楽】
The Smiths – Panic

songwriters : Morrissey, Johnny Marr

3rdアルバム『クイーン・イズ・デッド』の発売からわずか1か月後に発表された、アルバム未収録のシングルで、全英11位のヒットとなった。

ディスコを焼き払え
有り難きDJ様を吊し上げろ
いつもかけて下さる音楽のお礼に
僕の人生の足しになるようなことを
ひと言も歌ってない曲のお礼に
さあ、いまいましいDJを吊し上げよう
DJを吊るせ!
DJを吊るせ!
DJを吊るせ!
DJを吊るせ!
(対訳:小林政美)

この過激な歌詞は当時問題になったらしいが、わたしは初めて聴いたときに爆笑した。
2分ちょっとの曲で何回「Hang the DJ!」って言ってるのだろうと数えてみたら、34回も言っていた。

こんな曲を楽しげに、クネクネ腰踊りをしながら歌う有毒モリッシーのユーモラスな狂気性もスミスならではの魅力に違いない。

モリッシーのクネクネ腰踊りを初めて見た人はたいてい「キモい」と言うけれども、あれはやっと部屋から出る決心をした引きこもりが、自分を受け入れてくれる居場所を見つけて、喜びの余り忘我の境地で歌っている状態なのだ。

スミス結成以前のモリッシーを描いた映画『イングランド・イズ・マイン』にも、初めてモリが人前で歌うシーンで、歌に没入してクネクネ踊りを始め、バンドも客もドン引きするという笑えるシーンがあった。

だから大目に見てあげてほしい。
慣れると、ちょっとカワイイと思えてきます。

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