【90年代ロックの快楽】
Radiohead – Just
Radiohead – Just
2ndアルバム『ザ・ベンズ』からのシングル。全英19位のヒットとなった。
まだレディオヘッドがエレクトロニカの方向へ踏み出す前の、グランジ・ロックのような激しいロックナンバーだ。
トム・ヨークのナヨナヨした美しいヴォーカルに、バンドの音楽性を決定づけているもうひとりの天才、ギターのジョニー・グリーンウッドによる、トムと一緒に歌うような優しいギターとすべてを切り裂くような凶暴なギターのコントラストがいかにもレディオヘッドらしい、初期の代表曲だ。
今思えば、まるでギターロックの最後の可能性を追求しようとしていたようにも見える。
PVのトム・ヨークの、華奢な小男ながら、リアリティの凄いパフォーマンスに思わず目を奪われてしまう。まるで若い頃のキレッキレのジョニー・ロットンにもう一度会えたような嬉しさを感じてしまう。
その横で無表情に、メロディとノイズ、静謐とカオスを自在に作り出す、ティム・バートンのクレイ・アニメから抜け出してきたようなグニャグニャとした細ギタリスト、ジョニー・グリーンウッドのちょっと不気味なカッコ良さにも注目だ。