≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その197
Radiohead – Fake Plastic Trees
デビュー・シングルの「クリープ」のインパクトは凄いものがあったが、しかしあの頃はまだ、あの時代にたくさんいた極端にノイジーでラウドなギターを鳴らすバンドのひとつぐらいに思っていた。
続々と出てきた当時のバンドたちが続々と消えていく中、おいおい様子が変だぞ、レディオヘッドってこんなんだっけ?? とわたしが思ったのは、この曲を聴いたときだった。
この曲は彼らの2ndアルバム『ベンズ』に収録された曲だ。
シングルカットされたものの、あんまり売れなかったらしい。
そりゃそうだろうと思うほど、単調で地味すぎる曲だけど、なぜか胸の奥に突き刺さってくる曲だ。
わたしにとってレディオヘッドと言えばまずこの曲なのだ。
名曲、なのかどうか、わたしももうよくわからないけれど、ただただこの曲のなにかに心を奪われてしまう。
これまでロックが表現してきたものとは真逆のような、あまりに弱々しく、おそろしく内向的で、カッコ良さなど微塵もなく、八方塞がりの切実さがスゴい世界観を聴いた気がした。
このときレディオヘッドが、ロックの次の扉を開いた気がしたものだった。
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