カントリー・ロックの快楽

【新シリーズ始動 その7】

ロックンロールは、白人の音楽だったカントリーと、黒人の音楽だったブルースを融合させて生まれた音楽だ。

融合させたヤツにノーベル賞を贈るべきだ。


その、ロックのルーツであるブルースとカントリーだけど、なんとなく日本のロック好きのあいだでは、「ロック好きのつもりなら、ブルースは聴いておかなきゃ」みたいなのはあるけど、「カントリーを聴いておかなきゃ」とはまずならないのである。

だから、ブルースはみんなちょっと頑張ってでもトライしてみるけど、カントリーを聴こうとはあんまりしない。

わたしもそのひとりだった。


幸いわたしは、たまたまジョニー・キャッシュの音楽に出会ったおかげで、カントリー・ミュージックも聴くようになり、カントリーと一口に言ってもいろいろなスタイルがあることも知った。

たとえばジョニー・キャッシュは、カントリーサウンドの象徴のようなフィドルとスティール・ギターを使わないが、その理由は「それを使うとどれも同じような曲に聴こえるから」という理由らしい。

わたしにとってジョニー・キャッシュが入りやすかったのは、そのロックに近いアプローチのせいもあるだろう。

そのうえジョニー・キャッシュは、精神性はもうロックどころか、パンクみたいな人でもある。


「カントリー・ロック」という言葉は、60年代の後半にグラム・パーソンズが創造した音楽ということになっている。

このブログではもっと拡大解釈して、「ロックの要素を持つカントリー」または「カントリーの要素を持つロック」と捉え、カントリーとロックの境目あたりをぴょんぴょんと反復横跳びしながら、ロック・ファンが見落としがちな、ロックでもありカントリーでもあるような名曲を紹介していきたいと思う。


わたしはカントリーを専門に聴く者でもないし、にわかファンみたいなもので、たいして知識もなく、深いことは書けないかもしれないけど、なに、専門家にバカにされることを恐れていたらなにも書けやしない。

専門家気取りのファンが入り口をガチガチの警備で固めてるような音楽ジャンルは、拡散していかないし、カビが生えて滅んでいくだけだ。


もちろん、どんなジャンルの音楽に対しても敬意を表し、失礼な態度だけは取りたくないけれど。

パンクロック好きのやつがカントリーを聴いたら意外とシビれちゃったぜ、という話だと思って、ちょいと気になったら、読んでください。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする