クラフトワーク/ザ・モデル(1978)

人間解体

【70年代ロックの快楽】
Kraftwerk – Das Model

クラフトワークは1971年にデビューしたドイツの電子音楽グループだ。

シンセサイザーや電子ドラムを主に使ったプログレッシヴ・ロックと言えるが、わたしには彼らの音楽はまるで、中性子爆弾で人類がほぼ死に絶えた後の、生き残った少しの電気技師たちと世界中の機械だけが元気に稼働しているような世界を想起させる、殺伐とした虚無的なユーモアを醸す音楽だ。

YMOがお手本にしたテクノ・ポップの先駆者であり、ハウスミュージックの開祖とも言える。その意味でクラフトワークのポップ・ミュージックへの影響力はビートルズやセックス・ピストルズにも匹敵する。

そんな彼らの唯一の全英No.1ヒットがこの「ザ・モデル」だ。

この曲は可愛い。

見た目もロック界随一の固さを誇る、まるで公認会計士のような彼らが、真面目な顔でちょっとだけ腰をクネクネさせているような可愛らしさがある。アナログシンセの音は今聴いても気持ちいいな。

彼らがこの曲を敢えてディスコに寄せに行ったのか、ディスコのほうから魔の手が伸びてきたのかはわからないが、ディスコで人気の曲となり、彼らの代表曲となった。
これがディスコ・ビートと言えるかどうかはわからないが、アレンジとメロディの単純さとわかりやすさはディスコ向きと言える。

彼らはこの曲を現在はどう位置付けてるのかと思い、今年の4月に来日公演を果たした彼らの東京Bunkamuraオーチャードホールのライヴのセットリストを調べてみたが、アンコール含めて全17曲中の、6曲目に披露されていた。

「一応いちばん有名な曲なので演るのはやぶさかでないけれども、まあ前半のほうでサラッとひと盛りあがりさせといて、でも本当のメインのやつはこの後ですから」みたいな、彼らのこだわりと照れを感じる位置付けのように思える。

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