スピッツ/空も飛べるはず(1994)

空の飛び方

【ニッポンの名曲】#47
作詞・作曲:草野正宗 編曲:土方隆行&スピッツ

「ロビンソン」の翌年に大ヒットし、スピッツにとって初のオリコン1位を獲得した代表曲。
ただし、シングルで発表されたのは遡ること2年前の1994年4月で、まだスピッツのブレイク前だった。

96年に、ドラマ『白線流し』の主題歌として使用されて、大ヒットしたのだ。この時代はドラマの主題歌というのが本当に強かった。

わたしはスピッツではこの曲が1番好きだ。
ごく普通のコード進行のわりには、やけに複雑で起伏の多いフックだらけのメロディで、気持ち良さと気持ち悪さが入り混じる感じがすごく面白いと思った。

英・米のロックはギターやベースのリフやグルーヴが出来ていけばOKみたいなところがあり、あまり歌メロをしっかり作り込まないものも多いので、日本のポップスを聴くとその作り込まれた歌メロの豊かさに感動を覚えることがしばしばある。この曲なんかも素晴らしいメロディで書かれた名曲だと思う。

スピッツはその歌詞にも興味を惹かれる。

幼い微熱を下げられないまま
神様の影を恐れて
隠したナイフが似合わない僕を
おどけた歌で慰めた
(空も飛べるはず/作詞・作曲:草野正宗)

たぶん、特に深い意味が込められているわけでもないのだろうけど、そこはかとなく漂うファンタジーとリアルの微妙なバランス、明るい陽光の下で底無しの闇がチラチラと見え隠れするこれまた気持ち悪さみたいなものも感じて、面白いなあと思ったものだ。

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