【映画】『AMY エイミー』(2015英) ★★★☆☆

AMY エイミー(字幕版)

【音楽映画の快楽】
Amy

監督:アシフ・カパディア
出演:エイミー・ワインハウス、他

イギリスのソウル・ジャズ・シンガー、エイミー・ワインハウスの2003年のデビューから、死去までのおよそ8年間の映像や関係者のインタビューで構成されたドキュメンタリー作品。その生々しい映像は高く評価され、アカデミー賞最優秀長編ドキュメンタリー賞を受賞した。

音楽性もキャラクターも私生活もなにからなにまで当世風ではないところが魅力で、特にジャズを愛した彼女は、5万人の観客の前で歌うことを夢みたことはなかったが、シングル「リハブ」やアルバムの大ヒット、グラミー賞の受賞などで、一躍時の人となってしまう。

多忙を極め、ただでさえ混乱した状況に、ジャンキーの彼氏の影響で事態はさらに悪化し、大人気スターでありながらトラブルメーカーというパパラッチの大好物と化して追いかけ回される日々に、次第に彼女は壊れていく。

ドラッグやアルコールで正気を失っている彼女の映像を見るのは痛々しく、復活のステージになるはずだったセルビアのフェスでも、泥酔してまったく歌えずに大観衆からブーイングを浴びせられる映像などは、正直、正視に耐えないほどだ。

優れたドキュメンタリー作品とは思うけれども、ひとりの若くて純粋で稀有の才能を持つ女性が急ピッチで壊れていく過程を記録した映像をみんなに薦めたいかというと、とてもそんな気になれない。あまりにも哀しい。

憧れのトニー・ベネットとデュエット曲をレコーディングしているときの彼女はホントに嬉しそうで、素晴らしい映像だったけどなぁ…。

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