No.078 ストレイ・キャッツ/涙のラナウェイ・ボーイ (1980)

STRAY CATS
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その78
Stray Cats – Runaway Boys

わたしが中二の頃に住んでいた田舎町の学校では、下敷きの代わりに透明のコクヨのカードケースを使うのがはやっていた。
そのカードケースに月刊明星やらミュージックライフやらの雑誌から切り抜いた写真をいろいろ入れて楽しむのだ。

ストレイ・キャッツがこの「涙のラナウェイ・ボーイ」のシングルでデビューした時にわたしはどこから切り抜いたのか、彼らの写真をそのカードケースに入れていた覚えがある。
同級生にはキッスやチープ・トリックやビートルズが好きな連中がいたが、彼らもその写真を見ると一様に「カッコええ!」と感嘆していた。

実はそのときわたしはまだストレイ・キャッツの音楽を聴いたことがなかった。
ただただ彼らのその写真(アルバムのジャケ)がカッコよくてカードケースに入れただけだった。

当時のわが家にはレコードプレーヤーがなかったので、彼らの音を聴くためにはラジオで流れるまで根気よく待つ以外に無かったのだ。
あまりよく覚えてないけど、その後運よくラジオで聴けたのはこの「涙のラナウェイ・ボーイ」だけだったと思う。

そのおよそ6~7年後にわたしは、CDで彼らのファーストアルバムをようやく購入し、とても、とても気に入ったのだった。
「涙のラナウェイ・ボーイ」はよく憶えていて、とても懐かしかった。
少年の頃は全神経を集中させてラジオを聴いていたので、1~2回しか聴いていなくてもよく覚えていたものだ。
今では絶対にムリだけど。

彼らはビジュアルも最高だったけどし、音楽も最高だった。
わたしはロカビリーという音楽の魅力を彼らから教わったようなものだ。

あの中学のときの友人たちはその後、「そういや中学のときにストレイ・キャッツ好きなやつがいたなあ。あいつセンス良かったなあ」なんて思い出したこともあったのかもしれない。
事実は全然そんないいものではなかったわけだけど、たとえウソでも彼らの写真を選んだのは褒めてやりたい気がする。

1987年のアメリカ映画『ラ・バンバ』はリッチー・ヴァレンスの生涯を描いた素晴らしい作品だけど、その中でわたしが特に好きなシーンで、このストレイ・キャッツのブライアン・セッツァーが、エディ・コクラン役で「サマータイム・ブルース」を歌うシーンがある。

エディ・コクランに憧れ、デビュー当時から同じギターを使っていたブライアン・セッツァーだ。
コクラン役にこれ以上ふさわしい男はいないだろう。
最高のキャスティングだった。