≪女子ロックの快楽≫ その1
Joan Jett & The Blackhearts – I Love Rock ‘n Roll
≪女子ロック≫というと、おじさんやおばさんたちは真っ先にこのアーティストのこの曲が浮かぶ人も多いだろう。わたしもそのひとりだ。
ザ・ランナウェイズはロック史上初めて、メンバー全員女子のバンドで成功した、ガールズ・ロックの草分け的存在だ。
日本ではキッスやレッド・ツェッペリンと肩を並べるほどのセールスを誇り、代表曲「チェリー・ボム」はオリコン洋楽シングルチャートで1位(総合10位)まで上がる大ヒットとなった。
しかしアメリカではどうやらそこまで人気を得られなかったようで、「チェリー・ボム」は全米チャートで106位にとどまっている。
日本では、本国を上回る人気があったようだ。
どうやら日本人はガールズ・ロックが大好きらしい。
わたしもそのひとりだ。
16歳女子のヴォーカリストが下着姿で大股開きで歌うというのも人気の秘密だったのかもしれない。
わたしはそれは無い。
断じて無い。
この「アイ・ラヴ・ロックンロール」はそのランナウェイズのリーダーでギタリストだった、ジョーン・ジェットが解散後に新たなバンド、ザ・ブラックハーツ(男子3人)を従えて発表したシングルである。
ランナウェイズが解散したのは金銭的な理由と、メンバーの方向性の違いであったらしい。
ジョーン・ジェットのパンク志向に対して、他のメンバーはハード・ロック志向という相違があったようだ。
この曲のオリジナルはジ・アローズという男子ロックバンドで、1975年に発表されている。
ローリング・ストーンズの「イッツ・オンリー・ロックンロール」に触発された書かれたということだ。
ジョーン・ジェットがソロになり、元セックス・ピストルズのスティーヴ・ジョーンズ、ポール・クックと録音した3曲のうちの1曲がこの曲だった。
そのバージョンは発表されなかったが、その2年後にザ・ブラックハーツを結成し、再録音してシングルとして発表、同名のアルバムも発表した。
このシングルはめでたく全米1位、アルバムは全米2位の大ヒットとなった。
女子ロックが「アイ・ラヴ・ロックンロール!」と歌うと、男子ロックが歌うのとはまた違うカッコ良さがある。
ラウドなギターがカッコいい。
途中のグチャッとした短いギター・ソロもいい。