ジョン・フォガティ/センターフィールド(1985)

CENTERFIELD [LP] (POP-OUT GATEFOLD, REISSUE) [12 inch Analog]

【80年代ロックの快楽】
John Fogerty – Centerfield

ジョン・フォガティは、1975年に所属レコード会社のソウル・ゼインツ社長を相手に、金銭面、著作権、契約問題で訴訟沙汰になると、過去の歌も歌えない、新曲も出せないという、地獄のような状況になり、それがなんと10年間も続くことになる。

そして10年ぶりに発表することが出来たのがソロ3rdアルバム『センタ―フィールド(Centerfield)』だった。

この曲はそのタイトル・トラックだ。

野球をテーマにした歌で、今まさにスタジアムで試合が始まろうとしているワクワクするような空気感で、「監督! おれを試合に出してくれ! 準備は出来てるぜ! センターフィールドを制するのはこのおれだ!」と歌う歌詞だ。

そしてダブル・ミーニングで、10年ぶりに音楽シーンに戻ることができて嬉しくてたまらない気持ちを込めて、もう一度その中心(センターフィールド)に返り咲くことを宣言しているようでもある。
ジャケットに映っているボロボロの古いグローブは、ジョン・フォガティ自身を表しているのかもしれない。

そしてその宣言通り、このアルバムは全米1位となってジョン・フォガティの10年ぶりの生還を祝福したのだった。

さすが、アメリカを愛し、アメリカに愛された男だ。

間違いなく、野球とロックが好きでネルシャツを着ているアメリカ人は、全員このレコードを買ったに違いない。

「ラ・バンバ」を彷彿とさせるような、イントロのギターの音がなんとも張りのある艶やかな良い音だ。

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