スウェディッシュ・ポップ・ブームのきっかけとなった、アンティークなサウンドとウィスパー・ヴォイス【日本が愛した洋楽ヒット #13】ザ・カーディガンズ/カーニバル(1995)

カーニヴァル

ザ・カーディガンズ/カーニバル (1995)
The Cardigans – Carnival

ザ・カーディガンズは1994年にデビューしたスウェーデンのバンドだ。

ヴォーカルのニーナ・パーションという女性の舌足らずなウィスパー・ヴォイスと、レトロなサウンドのダンスビートが印象的で、本国以上に日本でヒットした。この曲を収録したアルバム『ライフ』もオリコン13位、50万枚を売る、洋楽としては異例の大ヒットとなった。

このカーディガンズのブレイクをきっかけに、日本ではメイヤやクラウドベリー・ジャムなども人気を博し、ちょっとしたスウェディッシュ・ポップ・ブームとなった。カジヒデキのような渋谷系草食男子たちがブームの牽引役となったのも拍車をかけた。

わたしはそんなオシャレなブームには縁のない肉食系底辺男子だったが、しかしちょうどオルタナティヴ・ロックへの熱が沈静化していた頃で、荒地に吹き渡った清涼な風のようにこの「カーニバル」はわたしの心にも響いたものだった。ヴィンテージ機材を使用したというそのアンティークなサウンドと秀逸なアレンジが特に気に入った。

オシャレで可愛らしいイメージのカーディガンズだが、ギターとベースの2人はもともとヘヴィメタ野郎らしく、現在の『ライフ』のCDには、ボーナス・トラックとして、ブラック・サバスの「血まみれの安息日」が追加されている。
ただしもちろんカーディガンズらしいおしゃれなアレンジで、天使のようなウィスパー・ヴォイスで可愛らしく歌われている。