名匠スコセッシ監督による艶やかでリアルな迫力の映像体験【ストーンズの60年を聴き倒す】#72

ザ・ローリング・ストーンズ×マーティン・スコセッシ「シャイン・ア・ライト」オリジナル・サウンドトラック

『シャイン・ア・ライト』(2008)

“Shine a Light” (2008)
The Rolling Stones

2008年に公開された、ストーンズがNYのビーコン・シアターで行った慈善コンサートの模様を収録したドキュメンタリー映画のサウンドトラックだ。

監督はマーティン・スコセッシである。わたしにとって、アメリカの映画監督ではクリント・イーストウッド、クエンティン・タランティーノと並んで最も好きな監督だ。彼が監督したザ・バンドの『ラスト・ワルツ』も音楽映画として不滅の名作となっている。

なので悪いわけがないが、やはり傑作だった。ライヴを撮ってるだけなのにやっぱり違うのだ。ストーンズのライヴ映像なんてもう山ほど出ているけれど、根本的にそういうものとは次元が違う。映像の艶や味わいが違う。プロのカメラマンが万全の機材で撮った写真と、素人がスマホで撮ったラーメンの写真ぐらいの違いがあるのである。もちろんそうでなければ2時間も観ていられない。

CD 1

  1. Jumping Jack Flash
  2. Shattered
  3. She Was Hot
  4. All Down the Line
  5. Loving Cup (ft.ジャック・ホワイト)
  6. As Tears Go By
  7. Some Girls
  8. Just My Imagination
  9. Faraway Eyes
  10. Champagne & Reefer (ft.バディ・ガイ)
  11. Tumbling Dice
  12. You Got the Silver
  13. Connection

CD 2

  1. Sympathy for the Devil
  2. Live With Me (ft.クリスティーナ・アギレラ)
  3. Start Me Up
  4. Brown Sugar
  5. (I Can’t Get No) Satisfaction
  6. Paint it Black
  7. Little T&A
  8. I’m Free
  9. Shine A Light

セットリストには「シー・ワズ・ホット」や「ラヴィング・カップ」、「アズ・ティアーズ・ゴー・バイ」「ファー・アウェイ・アイズ」「ユー・ガット・ザ・シルヴァー」「コネクション」(キースが歌っている)などといっためずらしい曲が並んでいるのが嬉しい。

タイトルになっている「シャイン・ア・ライト」はこれまでライヴ盤に収録されたこともなければ、ベスト盤に収録されたこともない、隠れた名曲だった。これをメイン・タイトルとして使うなんて、さすがはスコセッシ監督だ。

いつものようにゲスト陣が邪魔だが、バディ・ガイ先生だけは滅法カッコいいので許そう。これは映像じゃないとそのカッコよさ、ストーンズとの共演の見事なハマり方が充分に伝わらないだろう。まあ言うまでもなく、こんなサントラCDまで聴こうとするコアなファンはその前に映像を見ているに決まってるのだろうけれども。

下のシーンは、めずらしくギターを持たずに歌うキースだ。シビれる。

(Goro)

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