ニーナ・シモン/フィーリング・グッド (1965)【’60s Pops Masterpiece】

フィーリング・グッド

【60年代ポップスの名曲】
Nina Simone
Feeling Good (1965)

ニーナ・シモンは米ノースカロライナで1933年に生まれた。ちょうど黒柳徹子と同い年だが、2003年に70歳で死去している。黒柳徹子はまだ生きている。

この「フィーリング・グッド」は、ニーナ・シモンの代表曲だ。

彼女は幼少の頃からクラシックのピアニストを目指したが、多分に人種差別的な理由で音楽院に入学できず、その後食べていくためにナイトクラブで演奏し、歌うようになった。

ジャズやミュージカル楽曲、R&Bやブルース、フォークやゴスペルなど様々なジャンルを横断する、型にとらわれないアーティストであり、当時の公民権運動に積極的に参加する活動家でもあった。

それは新しい夜明け
それは新しい一日

それは私の新しい人生
私はとても、とても良い気分だ
(written by Anthony Newley & Lesly Bricusse)

そう歌われるこの曲は、1965年に上演されたイギリスの階級社会を描いたミュージカルの劇中歌で、主人公の白人男性の生き方に影響を与える黒人男性によって歌われた曲だ。

一見シンプルな歌詞だが、時代は黒人への差別撤廃を求める公民権運動の盛り上がりの真っ只中であり、ニーナ・シモンがこの曲に込めた意味は、心底からの自由への希求に違いない。

ニーナ・シモンの唯一無二の歌声には、わたしのようなジャズにはからっきし疎い人間でも魅きつけられる、ジャンルを超えた、ゾワゾワと魂に直接響くような力がある。

2003年の死去をきっかけにロックリスナーにも「再発見」された感がある彼女だが、ニーナ・シモンへのリスペクトを公言しているアーティストは多く、ミューズやエド・シーランなどもこの曲をカバーしている。

↓ ミューズの2ndアルバム『オリジン・オブ・シンメトリー』(2001) に収録されたカバー。

(Goro)

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