≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その318
The Sonics – Psycho
1965年、イギリスでストーンズやビートルズやフーのような「ブリティッシュ・ビート・バンド」が大旋風を巻き起こしていた頃、アメリカでは「アメリカン・ビート・バンド」のブームなんてのはなくて、ボブ・ディランやバーズのようなフォーク・ロックが人気を博していた。
でも全然売れていないビート・バンドはアメリカにもきっとさくさんいて、ガレージに隠れて荒っぽいロックンロールを練習しては地元で活動していたはずなのだ。
そんなガレージバンドの元祖みたいなのが、このワシントン州出身のソニックスだ。
この曲が収録されている1stアルバム『HERE ARE THE SONICS!!!』が1965年に発売されているので、デビューはザ・バーズやザ・フーと同期ということになる。
わたしはこのバンドのことをあまり詳しくは知らないのだけど、初めて聴いたときは、65年でもうパブロックやパンクみたいなことをやってたのかと驚いたものだ。
65年ぐらいだとアンプや機材の能力も限られてると思うけど、それでもなんとか出来る限りワイルドに、うるさく、聴きにくくしようと、意識してやっているように思える。
まるで10年先駆けてパンクロックをやろうとしているかのようなのである。
特にヴォーカルはクレイジーとしか言いようがない。
ザ・フーやバーズの、知的で真に斬新なレコードとは比べ物にならないが、その勢いとバカっぽさではバーズに大きく勝り、そのクソやかましさではザ・フーにも負けていないと思うのである。