No.293 ザ・ヴァーヴ/ビター・スウィート・シンフォニー (1997)

アーバン・ヒムズ(20周年記念デラックス・エディション)
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その293
The Verve – Bitter Sweet Symphony

この曲は日本も含めて世界的にヒットしたので、タイトルを知らなくても聴き覚えのある方は多いだろう。
一度聴いただけでストリングスのリフレインが頭から離れなくなる、印象の強い曲だ。

それまではふつうのギターバンドだったのだけど、ちょうどバンド内に不和があって、ギタリストが一時脱退してしまった最中にアルバムのレコーディングが始まり、苦肉の策でストリングス中心のアレンジの曲が多くなったということらしい。
ケガの功名というやつですね。

しかしこの曲は後にローリング・ストーンズのレコード会社から著作権侵害で訴訟を起こされる。
ストーンズのマネージャー兼プロデューサーだったアンドリュー・オールダムが、ストーンズの曲をオーケストラのインストにアレンジしたアルバム『アンドリュー・オールダム・オーケストラ/ザ・ローリング・ストーンズ・ソング・ブック』の「The Last Time」に使われたストリングスのフレーズが無断でサンプリングされているためだった。
イントロの、印象の強いあのフレーズのほうではなく、ずっとコードのように地味に繰り返されているほうのストリングスだ。
なので現在この曲のクレジットは「Jagger&Richards」ということになっている。

気の毒なヴァーヴ。
きっと印税もあまり入ってこなかっただろう。

べつに「The Last Time」の原曲にはもともと無いフレーズだし、なんか腑に落ちない感じはする。
しかもJagger&Richardsなんてヴァーヴの1万倍は稼いでるだろうし、「The Last Time」のオールダム・バージョンなんかより、この曲のほうがずっと多くの人々に愛されたのは間違いないのだから、もうちょっと大らかになってあげてもよかったんじゃないか。

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