No.294 ザ・ストロークス/12:51 (2003)

ルーム・オン・ファイア
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その294
The Strokes – 12:51

ニューヨーク出身のザ・ストロークスは、2001年にイギリスのレコード会社からデビューした。
長い間アメリカでは見かけなかったようなルックスのバンドだなあ、と思ったものだった。

わたしの会社の、20代の若い同僚がやけに古いロックに詳しいので、どうしてそんなものを聴くようになったのかと尋ねてみると、わたしにとってはものすごく意外な答えが返ってきた。
「ストーンズの”カム・オン”を聴いた瞬間に、ストロークスみたい!カッコいい!って思ったんです」
そのつながり方の意外性に驚くと同時に、なるほどと納得もして、なんだかちょっと感動したのだった。

90年代は英米共に轟音ギターロックが流行し、そこから派生したヘヴィロックやミクスチャーロック、デジタルロック、ポストロックなど、ロックは多種多様なものへと膨張していった。

その90年代が終わって、21世紀のロックシーンに颯爽と現れたのがザ・ストロークスだった。
彼らの音楽は、シンプル極まりない軽快なロックンロールだ。
ヴォーカルのクセが凄いのが現代的だけど、90年代の轟音ギターやヘヴィロックに慣れた耳には新鮮で、カラっと快く響いた。

彼らの音楽はメディアによって≪ロックンロール・リバイバル≫と名付けられるムーヴメントのシンボルとなった。
2001年、ロックはふたたび、50年の時空を超えて原点回帰したのだ。

1stは、香りは最高だが苦みも強いブラックコーヒーみたいな印象だったが、2ndで彼らは更なる成長を見せる。
この曲はその2ndアルバムからのシングルカットだ。

この曲なんかは意外にも少し甘みも感じる、カフェラテみたいで聴きやすく、これもまた魅力的である。