≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その309
Eddie Cochran – summer time blues
クソ暑い夏にぴったりの曲を、どこにも行かず働くだけしか能がない人たちと共有したい。わたしもそのひとりだからだ。
働くことは愛だの恋だのと同じぐらい人類の普遍的な営みにも関わらず、働くことについて歌った歌は意外と少ないように思う。
わたしは働いてるか飲んでるか寝てるかぐらいのつまらない人間なので、働くことについての歌はもっと聴きたいものだ。
しかも働くことについての歌は、働くことのつらさや苦さを歌ったものばかりで、なぜか働く喜びを歌ったものはあんまり聴かない。
それでは社会に出る前の若者たちは、そんな喜びは存在しないかと思ってしまう。わたしもそう思っていた。
そうでもないのにね。
この曲はいろんなアーティストがそれぞれ個性的にカバーしている。
たぶん一番人気はザ・フーのバージョンだろう。原曲を壊さない程度に少しハードな仕上がりはさすがのカッコ良さだ。
ウルフルズもこのままカバーしている。
やけにパーカッションを多めに足して、木魚の高速連打みたいなのはT・レックス。
ただし、後年のライヴ動画を見てみるとそのバージョンではなく、ほぼザ・フーのバージョンで演奏している。なにか、間違いに気づいたのかもしれない。
サンフランシスコのバンド、ブルー・チアーは強烈なディストーション・ギターで、原曲の夏の爽やかさやユーモアなど微塵もない、超ヘヴィなバージョン。
カントリー界の貴公子、アラン・ジャクソンの94年のカバーはその真逆で、爽やかな風が吹き抜けるような気持のいいサマータイム・カントリー・ブルース。PVもいかにも田舎の夏!って感じで楽しい。
映画『ラ・バンバ』では、エディ・コクラン役をブライアン・セッツァーが演じてこの曲を歌うシーンがある。これ以上のハマり役はないだろう。
多くのアーティストがカバーしてるけどやはりザ・フーのバージョンが最高だろう。
サンフランシスコのバンド、ブルー・チアーは強烈なディストーション・ギターで、原曲の夏の爽やかさやユーモアなど微塵もない、酷暑の鉄工所での重労働などを思い浮かべてしまうヘヴィなバージョン。
カントリー・シンガー、アラン・ジャクソンの94年のカバーはその真逆で、太陽の下でも爽やかな風が吹き抜けるような、湿度の低いカラッとしたサマータイム・カントリー・ブルースだ。
T.レックスは木魚の高速連打みたいなパーカッションがユニークな、変態バージョンだ。変態の人にお薦め。
そして、いちばんの問題作はRCサクセションによる、原発を批判した替え歌バージョンだろう。
わたしは科学知識がないのでなんとも言えない。
でも、原子力発電は危険だという人もいるし、火力発電はCO2を出して地球を温暖化するからダメだと言う人もいるし、水力発電は自然を破壊するという人もいるし、風力発電は近所迷惑だという人もいる。
難しい問題だ。