TOTO/アフリカ(1982)

TOTO IV~聖なる剣(期間生産限定盤)

【80年代ロックの快楽】
TOTO – Africa

わたしはTwitterでNMEやrockin’onをフォローしてるので、毎日のように音楽に関するニュースを目にする。

だれそれがあの名曲をカバーした、というニュース記事はけっこう頻繁に配信されるのだけど、正直興味を惹かれるものは少ない。
でも、この「ウィーザーがTOTOの『アフリカ』のカバーをシングルで発表」という記事は、その組み合わせが意外というか面白すぎて、思わず開いて読んでしまった。

TOTOとウィーザーなんて、どちらもロサンゼルスのバンドということのみは共通しているけれど、かたや凄腕ミュージシャンたちによる完成度の高いAORロックのTOTO、かたや技術は二の次のいじめられっ子キャラたちによるオルタナ系ロックのウィーザーという、明らかに真逆なはずなのだけど、意外にしっくりこないもんでもなさそうな絶妙な組み合わせに惹かれて聴いてみたのだった。

そもそもこのカバーは、ウィーザーのファンである14歳の少女がTVドラマで「アフリカ」を聴いて、「ウィーザーにカバーしてほしい」というTwitter上での懇願から始まったそうだ。

ウィーザーがそのリクエストに応え、実現したのだそうだ。

われわれのようなオールド・ロック・ファン(略して”老害”とも言う)は、ものすごく遠い対立したジャンルの組み合わせぐらいに思ってしまうけど、14歳の少女にしてみたら、TOTOもウィーザーもどっちも古くてステキなロック・レジェンドであって、細かい違いなどどうでもいいのだろう。きっとPILがイーグルスをカバーしても別に意外に思わないのだろう。

やっぱり若いってことはいいな。
過去にとらわれない若い感性が、年寄りが捨てられずにいる古い考えを簡単にポイッポイッと捨てていく。
新しい窓が開けられて、新しい風の匂いを感じるような、わたしにとってはそんな嬉しい気持ちになるようなカバーだった。

ウィーザーによる「アフリカ」のシングルは現在、全米シングルチャート86位まで上がっている。全米チャートに入るのはウィーザーにとっては9年ぶりのことなんだそうだ。

また、このカバーについてTOTOのスティーヴ・ルカサーも「とても嬉しい。ありがとう。いつか会えるといいな、おれたちのことを嫌ってなければだけど。hahaha」とツイートしている。

「アフリカ」でウィーザーも手ごたえを感じたのか、第2弾として「ロザーナ」もシングルで発表した。

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