No.124 バリー・マクガイア/明日なき世界 (1965)

Eve of Destruction

≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その124
Barry McGuire – Eve of Destruction

この曲はボブ・ディランのプロテストソングに触発された才能あふれる19才のP.F.スローンが書いた曲だ。
本人のバージョンはポップなアレンジでほとんど知られていないが、それをバリー・マクガイアが当時流行のフォークのスタイルでカバーして、大ヒットした。
あきらかに同年の米軍のベトナム戦争介入を直接的に批判した超過激な内容のため、ラジオ局によっては放送禁止とされたにもかかわらず、この曲は全米No.1となった。

日本でも1969年に高石友也が訳詩を書いて歌い、やまたのおろちというフォークグループもURCからシングルを出している。

東の空が燃えてるぜ
大砲の弾が破裂してるぜ
おまえは殺しの出来る年齢
でも選挙権もまだ持たされちゃいねえ
鉄砲かついで得意になって
これじゃ世界中が死人の山さ
でもよォー 何度でも何度でも
おいらに言ってくれよ
世界が破滅するなんて嘘だろ
嘘だろ!
(written by P. F. Sloan 訳詞:高石友也)

わたしはこれを88年のRCサクセションのカバーバージョンで知った。
その激烈な歌詞に感動した。
高石友也の訳詩がなにしろ素晴らしいが、この歌詞にしては本人ややまたのやおろちのバージョンはちょっと賢い優等生的な感じなので、いちばん似合っているのはやはり過激な喧嘩腰の歌いっぷりでは右に出るものがいない忌野清志郎のRCバージョンだと思う。
まるで彼らのために書かれた曲なのではないかと思うほどだ。

60年代後半~70年代前半に書かれたプロテストソングや反戦歌は山ほどあるけど、この曲はそれらに先んじてすでにすべてを言い尽くしているようで、とくに日本の反戦フォークソングのほとんどがこの曲の模倣にすぎないんじゃないかと思えてくるほどだ。

恐るべき19才のP.F.スローン君である。

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