No.477 ザ・ジーザス&メリー・チェイン/リヴァランス (1992)

Honey's Dead
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その477
The Jesus & Mary Chain – Reverence

当時でもメリー・チェインなんて、人をしかめっ面にさせてやまないバンドだったのに、わたしは周りが引くぐらいメリー・チェインを推していた。
彼らの確信犯的なカッコ良さというのは、ちょっと他にはないものがあったのだ。

彼らはまるでストリート・アートの天才みたいな、プロフェッショナルなアーティストよりもなんでもありなのが自由でカッコいい、偉大なるアマチュアのようでもあったのだ。

音楽も実際にはたいしたことないのだけど、それを実質以上に、圧倒的にカッコ良く見せることに長けていたのだと思う。
タイトルの付け方のセンスや、妖しげなジャケやPV、刺激的な歌詞、そして最後には強烈なノイズで全体を覆ってしまい、前衛アートのような佇まいを創り出してしまう。そういうアマチュアリズムもろ出しのアーティスティックな才能が面白かった。

90~91年にかけて英・米の同時多発ロック革命はどちらも轟音ギターを主軸に据えていたけれど、それも元はと言えばメリー・チェインの84年のデビュー・シングル「アップサイド・ダウン」からすべてが始まったようなものなのだ。

そんな時代にものすごい期待と注目を浴びて、ついに元祖のメリー・チェインが92年に満を持して発表したのが4枚目のアルバム『ハニーズ・デッド』だった。

彼らがさすがなのは、そのタイミングでまったく期待を裏切らなかったことだ。

みなさんのお望みどおりのものをつくって差し上げたでございますよ、と言わんばかりの、轟音ギター満載、ストレートなロックンロールもあれば、当時流行のダンスビートもあり、刺激的でカッコいい歌詞ももちろん、完成度は過去最高の、傑作を出してきたのである。

おれはキリストのように死にたい
針のベッドの上で死に、天国を見てみたい
おれはジョン・F・ケネディのように死にたい
よく晴れた日に、アメリカで死にたい

魂を売り渡しはしない
でも半分だけなら売ってもいい
おれの魂が半分欲しいのなら
黄金と交換だ
(written by William Reid, Jim Reid)

まあ歌詞としては笑ってしまうぐらいメガカッコいいけど、きっと深い意味はなにも無いと思う。
プライマル・スクリームよりももっと実質の無い、良い意味で中身の無いポップアートのような軽さを感じて、好きなんだよねえ。